115AM046|第115回 看護師国家試験 過去問
ノーリフトケアに該当するのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3.スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する。
この問題のポイント
ノーリフトケアは「人力で患者を抱え上げない」ことを原則とする介護理念です。その実現には、スライディングシートなどの福祉用具の活用が不可欠です。この問題では、介助行為が「持ち上げる」か「滑らせる」かで判断され、用具の適切な使用が鍵となります。
解説
ノーリフトケア(No Lift Care)とは、1998年にオーストラリアで提唱された理念で、介助者が患者の体重を人力で持ち上げず、代替手段で移動や体位変換を行うことを目指します。その目的は、介助者の腰痛予防と、患者の皮膚損傷や褥瘡のリスクを減らすことにより、安全で尊厳ある介護を実現することです。スライディングシートは、表面摩擦を極めて低減した素材で作られており、患者をベッド上で水平に移動させたり、体位を変更したりする際に、介助者の腰部負担を大幅に軽減できます。これにより、患者の安全と介助者の健康が両立します。
選択肢の確認
1.車椅子の後ろから患者を抱えて座位を整える。:両腕で抱きかかえて持ち上げるため、人力介助に該当し、ノーリフトケアの原則に反します。
2.患者を抱きかかえてポータブルトイレに移動する。:人力で抱え上げるため、ノーリフトケアの対象外です。
3.スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する。:持ち上げず滑らせるため、ノーリフトケアの典型的な実践例です。
4.ボディメカニクスを活用してベッド上で患者の上体を起こす。:身体力学の工夫ではありますが、最終的に患者を「持ち上げる」行為を含み、ノーリフトケアとは異なる原則です。
覚えるポイント
「抱えない・持ち上げない・引きずらない・捻らない・体重を支えない」の5つの「No」を意識し、必要に応じてスライディングシートなどの用具を積極的に活用しましょう。