Y2023M04Q62023年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問

エックス線の管理に関する知識物質との相互作用

エックス線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解: 1

正答

(1)

この問題のポイント

電子対生成のしきいエネルギーを粒子の静止エネルギーから求めます。必要なのは電子と陽電子の2×0.511=1.022 MeVで、中性子約939.6 MeVではありません。光電効果の光電子、コンプトン効果の反跳電子も名称を分けます。

解説

電子対生成には電子と陽電子の静止エネルギーの和、2×0.511=1.022 MeV以上が必要です。中性子1個の静止エネルギーは約939.6 MeVであり、これをしきい値とする説明は別粒子を取り違えています。コンプトン散乱では反跳電子と低エネルギー散乱光子が生じ、高エネルギーほど前方に偏ります。光電効果では入射光子が消滅して光電子を放出し、発生確率は光子エネルギー上昇で急減します。

選択肢の確認

1.入射エックス線のエネルギーが中性子1 個の静止質量に相当するエネルギー以上になると、電子及び陽電子を生じる電子対生成が起こるようになる。
判定:正答(誤っている記述・組合せ)。 電子対生成のしきい値は電子と陽電子の静止エネルギーの和2×0.511=1.022 MeVです。中性子1個の静止エネルギー約939.6 MeVを用いる記述は粒子を取り違えています。

2.コンプトン効果とは、エックス線光子と原子の軌道電子とが衝突し、電子が原子の外に飛び出し、光子が運動の方向を変える現象である。
判定:正答ではない(正しい記述・組合せ)。 コンプトン効果では入射光子が軌道電子へエネルギーと運動量の一部を渡し、反跳電子と方向の変わった低エネルギー散乱光子が生じます。

3.コンプトン効果による散乱エックス線は、入射エックス線のエネルギーが高くなるほど前方に散乱されやすくなる。
判定:正答ではない(正しい記述・組合せ)。 コンプトン散乱は入射光子のエネルギーが高いほど前方へ偏るため、散乱角分布のエネルギー依存性を正しく述べています。

4.光電効果とは、原子の軌道電子がエックス線光子のエネルギーを吸収して原子の外に飛び出し、光子が消滅する現象である。
判定:正答ではない(正しい記述・組合せ)。 光電効果では軌道電子が入射光子の全エネルギーを受けて光電子となり、入射光子自体は消滅します。

5.光電効果が起こる確率は、エックス線のエネルギーが高くなるほど低下する。
判定:正答ではない(正しい記述・組合せ)。 光電効果の発生確率は光子エネルギーが高くなるほど急速に低下し、高エネルギー域では相対的寄与が小さくなります。

覚えるポイント

電子対生成のしきいエネルギーは電子と陽電子の静止エネルギーの和1.022 MeVです。中性子の静止エネルギー約939.6 MeVとは無関係です。光電効果の放出電子は光電子、コンプトン効果では反跳電子と呼びます。

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