介護福祉士国家試験の出題傾向分析

介護福祉士国家試験は、介護の実践技術から医学的知識、社会制度までを幅広く問う全125問の試験です。直近の第38回は受験者78,469人・合格者54,987人で合格率70.1%と、第35回の84.3%から3回連続で低下しました。合格には総得点125点中の合格点(第38回は64点以上)を満たすことに加え、指定11科目群すべてで得点することが必要で、極端な捨て科目をつくれない設計になっています。さらに第38回からはパート合格制度が導入され、パート別の基準を満たせば翌年・翌々年の当該パートが免除されるようになりました。出題構成は毎回ほぼ固定のため、領域別の配点を知ることが対策の出発点になります。

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合格率と合格基準

直近の合格率70.1%第38回・受験78,469人/合格54,987
合格基準総得点125点中の合格点(総得点の60%程度を基準に難易度で補正。第38回は64点以上)かつ指定11科目群すべてで得点があることが条件。第38回からパート合格制度が導入され、パート別基準を満たせば翌年・翌々年の当該パートが免除される。
回次実施年受験者数合格者数合格率
第38回202678,46954,98770.1%
第37回202575,38758,99278.3%
第36回202474,59561,74782.8%
第35回202379,15166,71184.3%
第34回202283,08260,09972.3%
第33回202184,48359,97571%
第32回202084,03258,74569.9%
第31回201994,61069,73673.7%
第30回201892,65465,57470.8%
第29回201776,32355,03172.1%

受験者数・合格者数・合格率は各実施機関の公式発表値(出典)。合格基準の詳細・最新情報は必ず公式発表をご確認ください。

直近回(第38回)の総評

第38回は受験者78,469人・合格者54,987人・合格率70.1%でした。第35回84.3%→第36回82.8%→第37回78.3%→第38回70.1%と3回連続の低下で、特に第37回から第38回は8ポイント以上下がっており、掲載している10回分の中でも第32回の69.9%に次ぐ低さです。合格点は総得点の60%程度を基準に難易度で補正され、第38回は125点中64点以上でした。制度面では第38回からパート合格制度が始まり、パート別基準を満たせば翌年・翌々年に当該パートの免除を受けられるようになった点が大きな変化です。出題構成そのものは安定しており、領域別では介護50問、こころとからだのしくみ40問、人間と社会18問、総合問題12問、医療的ケア5問という配分が第35回以降固定されています。科目別に見ると生活支援技術が毎回26問と突出して多く、社会の理解、こころとからだのしくみ、総合問題が各12問で続きます。画像を使った問題は第38回で1問のみで、大半は文章のみの五肢択一です。合格率が下がった今こそ、配点の大きい科目から順に固める王道の学習が効いてきます。

頻出分野ランキングと分野別対策

  1. 介護毎回平均 50.4問(全体の40%)

    毎回50問(第34回のみ52問)と全体の4割を占める最大領域です。内訳では生活支援技術が5回分で130問(毎回26問)と全科目中最多で、第34回の34Q35〜34Q38のように移動・食事・入浴・排泄など生活場面ごとの支援方法が問われます。介護の基本が毎回10問、介護過程が8問、コミュニケーション技術が5回分で32問と続きます。この領域は実務経験がそのまま活きる一方、「自分の職場のやり方」ではなく教科書上の原則で答える必要がある点に注意してください。特に生活支援技術は、利用者の状態(片麻痺・視覚障害など)と支援方法の組み合わせで問われるパターンが定番です。26問というボリュームはここを得点源にできるかどうかで合否が動く水準であり、最優先で仕上げるべき領域です。

  2. こころとからだのしくみ毎回平均 40問(全体の32%)

    毎回40問で全体の32%を占める第2の柱です。内訳は、こころとからだのしくみが毎回12問(第34回の34Q97〜34Q100など)、認知症の理解が10問、障害の理解が10問、発達と老化の理解が8問。人体の構造・機能から認知症・障害の医学的理解まで、暗記だけでなく理解が必要な医学系知識が中心です。介護領域の実践問題も、この領域の知識が土台にあってこそ正確に解けるため、学習の序盤から並行して進めることを勧めます。特に認知症の理解は毎回10問と配点が大きく、原因疾患ごとの特徴と対応の違いを整理しておくことが必須です。障害の理解も10問あり、身体・知的・精神・発達の各障害の特性を横断的に押さえてください。

  3. 人間と社会毎回平均 17.6問(全体の14%)

    毎回18問(第34回は16問)の領域で、中心は社会の理解の毎回12問です。第34回の34Q5〜34Q8のように、介護保険制度や障害者支援の仕組み、社会保障の体系など制度系の知識が問われます。制度は数値や名称の正確な暗記が求められ、あいまいな理解では選択肢を絞り切れません。人間の尊厳と自立が毎回2問、人間関係とコミュニケーションが5回分で18問と小さい科目も含まれますが、11科目群すべてで得点が必要という合格条件がある以上、出題数の少ない科目こそ落とせません。2問しかない科目で全滅すると総得点に関係なく不合格になり得るため、小科目も過去問で最低限の型を押さえておくことが重要です。

  4. 総合問題毎回平均 12問(全体の10%)

    毎回12問で、試験の最後に配置される領域です。第34回の34Q114〜34Q117のように、一人の利用者の事例を提示し、複数の設問で状況理解・制度適用・支援方法を横断的に問う形式です。単独の知識ではなく、介護・こころとからだのしくみ・人間と社会で学んだ内容を事例に統合して適用する力が試されます。対策として独立した学習は不要で、他領域の学習が仕上がっていれば自然に解ける設計ですが、事例文から必要情報を素早く拾う読解の練習だけは過去問で積んでおくべきです。5回分で60問の事例演習ができるため、試験直前期の総仕上げ教材としても最適です。事例中の利用者の疾患・障害と生活状況を線で結んで読む癖をつけてください。

  5. 医療的ケア毎回平均 5問(全体の4%)

    毎回5問と最小の領域ですが、11科目群すべてで得点が必要という合格条件のもとでは軽視できません。第34回の34Q109〜34Q112のように、喀痰吸引や経管栄養など医療的ケアの基礎知識と安全管理が問われます。範囲が狭く出題パターンも安定しているため、過去5回分の25問を繰り返せば短期間で仕上がる、費用対効果の高い領域です。逆に対策ゼロで臨むと5問中0点のリスクがあり、その場合は総得点が合格点を超えていても不合格になります。実施手順の根拠(なぜその順序・角度なのか)とヒヤリハット時の対応を中心に、確実に1点以上、できれば満点を狙って固めてください。

分野別の出題数(全収録回の合計)

介護252(40%)
こころとからだのしくみ200(32%)
人間と社会88(14%)
総合問題60(10%)
医療的ケア25(4%)

分野×回次のクロス集計

分野第38回第37回第36回第35回第34回合計
介護5050505052252
こころとからだのしくみ4040404040200
人間と社会181818181688
総合問題121212121260
医療的ケア5555525

頻出テーマ TOP10

  1. 介護生活支援技術130
  2. 人間と社会社会の理解60
  3. こころとからだのしくみこころとからだのしくみ60
  4. 総合問題総合問題60
  5. 介護介護の基本50
  6. こころとからだのしくみ認知症の理解50
  7. こころとからだのしくみ障害の理解50
  8. 介護介護過程40
  9. こころとからだのしくみ発達と老化の理解40
  10. 介護コミュニケーション技術32

出題形式の統計(回次別)

回次問題数画像・図表つき5複数選択
第38回1251(1%)125
第37回1251(1%)125
第36回1251(1%)125
第35回1254(3%)125
第34回1251(1%)125

画像・図表つき問題や複数選択形式の比率は、実際の解き味と時間配分に直結します。 比率が高い回次が続く場合は、画像問題への慣れを演習に組み込んでおくのが安全です。

合格から逆算する学習戦略

配点構造はシンプルです。介護50問とこころとからだのしくみ40問で全125問の72%を占めるため、この2領域を固めることが合格の絶対条件になります。科目単位では生活支援技術の毎回26問が突出しており、次いで社会の理解・こころとからだのしくみ・総合問題が各12問、介護の基本・認知症の理解・障害の理解が各10問。この上位科目から順に手をつけるのが定石です。学習の順序としては、まず、こころとからだのしくみ領域で医学系の土台をつくり、その知識を前提に生活支援技術など介護領域の実践問題へ進み、制度系の社会の理解は暗記科目として並行して積み上げる流れが効率的です。総合問題は他領域の仕上がり確認として終盤に回して構いません。注意すべきは合格条件です。総得点(第38回は125点中64点以上)だけでなく、指定11科目群すべてでの得点が必要なため、人間の尊厳と自立(毎回2問)や医療的ケア(毎回5問)といった小科目の全滅は即不合格につながります。小科目は過去問5回分を1周するだけでも全滅リスクを大きく下げられます。過去問は直近5回分・625問が基本セットです。合格率が第35回の84.3%から第38回の70.1%まで下がっている以上、「6割ちょうど」を狙う計画では危険で、演習では常に7割5分以上を安定させることを目標にしてください。第38回から導入されたパート合格制度により、仮に不合格でも基準を満たしたパートは翌年・翌々年に免除されますが、最初から全パート合格を狙う学習が結局は近道です。本サイトの演習機能で科目別に弱点を潰していけます。

よくある質問

介護福祉士国家試験の合格率はどのくらいですか?

直近の第38回は受験者78,469人・合格者54,987人で合格率70.1%でした。第35回84.3%→第36回82.8%→第37回78.3%→第38回70.1%と3回連続で低下しており、掲載している10回分では第32回の69.9%に次ぐ低い水準です。それでも例年7割前後は合格する試験であり、配点の大きい科目を確実に固めれば十分に届く難易度です。

合格基準・ボーダーラインはどうなっていますか?

総得点125点に対し、60%程度を基準に難易度で補正した合格点を超えることが必要で、第38回は64点以上でした。加えて指定11科目群すべてで得点があることが条件のため、出題数の少ない科目(人間の尊厳と自立は毎回2問、医療的ケアは毎回5問)で0点を取ると、総得点にかかわらず不合格になります。総得点対策と小科目の全滅回避、この両輪で考えてください。

過去問は何年分解くべきですか?

直近5回分・計625問が目安です。領域別の出題構成(介護50問、こころとからだのしくみ40問、人間と社会18問、総合問題12問、医療的ケア5問)は第35回以降固定されており、過去問がそのまま本番のシミュレーションになります。1周目で弱点科目を特定し、2周目以降は生活支援技術(5回分で130問)など配点の大きい科目を重点的に回すのが効率的です。小科目も最低1周して全滅リスクを消しておきましょう。

最も配点が大きい分野はどこですか?

領域では介護が毎回50問(全体の40%)で最大、科目単位では生活支援技術が毎回26問で突出しています。次いで社会の理解・こころとからだのしくみ・総合問題が各12問、介護の基本・認知症の理解・障害の理解が各10問です。介護領域とこころとからだのしくみ領域を合わせると全体の72%に達するため、この2領域の完成度がそのまま合否を決めると考えて差し支えありません。

パート合格制度とはどんな仕組みですか?

第38回から導入された制度で、試験をパートに分け、パート別の基準を満たせば翌年・翌々年の受験で当該パートの免除を受けられる仕組みです。一度の不合格で全範囲をやり直す必要がなくなり、働きながら受験する人の負担軽減につながります。ただし免除に頼る前提の学習は非効率になりがちです。出題構成が固定された試験なので、初回で全パートを取り切る計画を基本に据えることをお勧めします。

回次ごとの収録問題数

回次問題数一覧
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