9PM89第9回 公認心理師国家試験 過去問

発達心理学-04 道徳性・社会的領域・向社会性

社会的知識は道徳、慣習及び個人という異なる知識から構成されるとする理論やモデルとして、最も適切なものを 1 つ選べ。

解答・解説を見る

正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、社会的知識を道徳領域、社会的慣習領域、個人領域に分けて理解する、E. Turiel の社会的領域理論が問われています。

「道徳、慣習、個人」という3つの領域が手がかりです。

解説

社会的領域理論は、E. Turiel によって提唱された理論です。子どもや人が社会的出来事を理解するとき、すべてを同じ種類のルールとして捉えるのではなく、異なる領域の知識として区別すると考えます。

主な領域は、次の3つです。

  • 道徳領域:他者の権利、公正、福祉、危害などに関わる領域
  • 社会的慣習領域:集団や社会のルール、礼儀、制度、約束事に関わる領域
  • 個人領域:個人の好み、選択、プライバシー、自分で決める事柄に関わる領域

例えば、人を傷つけることは道徳領域、学校で制服を着ることは社会的慣習領域、好きな服の色を選ぶことは個人領域として理解できます。

発達心理学でのポイント
社会的領域理論では、子どもは社会的ルールを一括して理解するのではなく、道徳、慣習、個人の領域を区別して理解していくと考えます。

教育や心理支援では、子どもが「守るべきこと」と「話し合って調整できること」と「本人の選択として尊重すること」を区別する視点が重要です。

選択肢の確認

1.J. Piaget の認知発達理論
判定:誤り。
J. Piaget の認知発達理論は、感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期など、子どもの認知発達段階を説明する理論です。社会的知識を道徳、慣習、個人の領域に分ける理論ではありません。

2.E. Turiel の社会的領域理論
判定:最も適切。
E. Turiel の社会的領域理論は、社会的知識が道徳、社会的慣習、個人という異なる領域から構成されると考えます。本問の説明に合致します。

3.J. Haidt の社会的直観モデル
判定:誤り。
J. Haidt の社会的直観モデルは、道徳判断が熟慮よりも直観的反応に基づくことが多いとするモデルです。社会的知識を道徳、慣習、個人に分ける理論ではありません。

4.L. Kohlberg の道徳性発達理論
判定:誤り。
L. Kohlberg の道徳性発達理論は、道徳判断の発達を前慣習的水準、慣習的水準、脱慣習的水準などの段階として説明します。道徳、慣習、個人という社会的知識の領域分化を中心にする理論ではありません。

5.R. L. Selman の役割取得能力による道徳理論
判定:誤り。
R. L. Selman は、他者の視点を理解する役割取得能力の発達を重視しました。対人理解や社会的認知の発達に関係しますが、本問の道徳、慣習、個人という3領域の理論ではありません。

覚えるポイント

  • E. Turiel とくれば、社会的領域理論を想起します。
  • 社会的領域理論では、道徳、社会的慣習、個人の領域を区別します。
  • Kohlberg は道徳性発達段階、Piaget は認知発達段階で整理します。
  • 子ども支援では、守るべきルールと本人の選択を区別する視点が大切です。

関連問題

9PM889PM90
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)