115A073第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科放射線学

自閉スペクトラム症児への歯科治療時に視覚素材を用いる対応法はどれか。 2つ 選べ。

2つ選択
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正解: a・e

正答

a、e

この問題のポイント

自閉スペクトラム症児では、言語だけの説明よりも、予定や手順を視覚的に構造化すると理解しやすいことがあります。視覚素材を中心に用いる方法を選びます。

解説

自閉スペクトラム症では、見通しの立たない状況、急な予定変更、抽象的な言語指示が不安や拒否につながることがあります。歯科診療では、写真、絵カード、実物、手順表などを使って、診療の流れを具体的に示すことが有効です。

TEACCH法は、環境や活動を視覚的に構造化し、何を、どの順番で、どこまで行うかを理解しやすくする方法です。歯科では、待合室から診療終了までの流れを写真やカードで示すなどの応用ができます。

PECSは、絵カードを交換して要求や意思を伝えるコミュニケーション方法です。発語が乏しい児でも、痛い場所、休憩、終了などの意思表示を支援できます。

障害者歯科でのポイント
行動を力で抑えるのではなく、予告、視覚的支援、短い指示、段階的な練習、成功体験を組み合わせます。

選択肢の確認

a.TEACCH 法
正しい。
視覚的スケジュールや作業手順を用いて環境を構造化し、本人が見通しを持てるようにする方法です。歯科診療の手順説明にも有効です。

b.タイムアウト法
誤り。
タイムアウト法は、問題行動の後に強化刺激を一定時間得られない状況へ移す行動変容法です。視覚素材を用いて理解やコミュニケーションを支援する方法ではありません。

c.レスポンスコスト法
誤り。
レスポンスコスト法は、問題行動に伴って獲得済みの強化子を減らす方法です。視覚素材を中心とした支援法ではありません。

d.ハンドオーバーマウス法
誤り。
口を手で覆うなどの身体的・威圧的な対応であり、視覚的支援法ではありません。患者の尊厳や安全の観点からも、現在の行動調整として推奨される方法ではありません。

e.PECS<Picture Exchange Communication System)
正しい。
絵カードを交換して要求や意思を伝えるシステムです。視覚情報を利用し、言語コミュニケーションが難しい児の意思表示を支援します。

覚えるポイント

  • TEACCH法は視覚的構造化、PECSは絵カード交換によるコミュニケーションです。
  • 自閉スペクトラム症児には、診療の見通しを具体的に示します。
  • 威圧的な身体介入ではなく、予告と段階的な行動調整を優先します。

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