115D078|第115回 歯科医師国家試験 過去問
【厚生労働省では採点除外・本アプリで学習用正答を設定】 上顎悪性黒色腫の口腔内写真 (別冊No. 27 )を別に示す。 MRI の信号強度の組合せで正しいのはどれか。 1つ選べ。 T1 強調像 T2 強調像

解答・解説を見る
この問題は公式正答が公表されていないため、採点対象外です。
正答(本アプリの学習用判定)
c
この正答は厚生労働省の公式正答ではありません。
公式の取扱い
厚生労働省は本問を「採点対象から除外する。」とし、理由を「問題として適切であるが、受験者レベルでは難しすぎるため。」と公表しています。公式正答値表は空欄です。上記の答えは、問題自体は適切とする公式判断と標準的知見を基に、本アプリが学習用に設定したものです。
考え方
メラニンを多く含む悪性黒色腫では、メラニンの常磁性効果によってT1・T2緩和時間が短縮し、典型的にはT1強調像で高信号、T2強調像で低信号を呈する。したがって組合せはcである。ただし、実際の信号強度はメラニン量、出血、壊死、無色素性成分などによって変化し、すべての悪性黒色腫が典型像を示すわけではない。厚生労働省の正答値表はD078を空欄としているため、cは本アプリの学習用正答であり公式正答ではない。
画像の確認
実画像では、無歯顎上顎の片側口蓋から歯槽頂にかけて黒色から青黒色の不整な色素性病変が広がり、一部に隆起と表面の白色調・赤色調がみられる。写真はMRIではないが、設問で悪性黒色腫と示された病変の明瞭な色素性所見はメラニンを含む前提に整合し、その典型的なT1高信号・T2低信号の組合せが本アプリの学習用正答cに対応する。
選択肢の確認
a.T1強調像:低信号、T2強調像:低信号
誤り。典型的な有色素性悪性黒色腫ではメラニンによるT1短縮のためT1強調像が高信号となるので、T1低信号の組合せは合わない。
b.T1強調像:低信号、T2強調像:高信号
誤り。これは一般的な軟部腫瘍などでみられ得る信号の方向だが、メラニンを多く含む悪性黒色腫の典型的なT1短縮・T2短縮とは逆である。
c.T1強調像:高信号、T2強調像:低信号
正しい。メラニンの常磁性効果によるT1・T2短縮を反映する古典的な組合せであり、口腔粘膜悪性黒色腫でもこの信号パターンを含む症例が報告されている。
d.T1強調像:高信号、T2強調像:高信号
誤り。T1高信号はメラニンや出血で生じ得るが、典型的なメラニンのT2短縮効果はT2低信号として現れるため、両者高信号は標準的な組合せではない。
e.T1強調像:中等度信号、T2強調像:中等度信号
誤り。メラニン量が少ない場合などに中間的または不均一な信号を示すことはあるが、有色素性悪性黒色腫の典型像を1つ選ぶ本問の組合せではない。
学習の要点
有色素性悪性黒色腫の典型的MRI所見はT1高信号・T2低信号である。『メラニンは常磁性物質としてT1とT2を短縮する』と機序から結び付け、無色素性成分や出血・壊死がある場合は典型像から外れ得ることも押さえる。