Y2021M10E1Q6|第2021年10月公表(第一種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
事業者が、法令に基づく次の措置を行ったとき、その結果について所轄労働基準監督署長に報告することが義務付けられているものはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、健康診断、定期自主検査、作業主任者の選任、作業環境測定について、結果を所轄労働基準監督署長へ報告する義務があるかを区別します。
正答は、定期に行う特定化学物質健康診断です。
解説
労働安全衛生関係法令には、事業場内で記録を作成・保存すればよいものと、行政機関へ報告しなければならないものがあります。
試験では、「実施義務」「記録保存義務」「報告義務」を分けて確認することが重要です。
特定化学物質健康診断
特定化学物質を製造し、又は取り扱う一定の業務に常時従事する労働者には、雇入れ時、配置替え時及びその後定期に特殊健康診断を行います。
このうち、定期に行った特定化学物質健康診断の結果については、所定の健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長へ提出します。
健康診断は、単に受診させて終わりではありません。異常所見者について医師の意見を聴き、必要な就業上の措置、作業環境改善、ばく露低減につなげます。
雇入時の有機溶剤等健康診断
有機溶剤業務の特殊健康診断は、雇入れ又は配置替えの際と、その後6か月以内ごとに1回行います。
ただし、この選択肢が示す雇入時の健康診断結果は、定期健康診断結果報告の対象ではありません。
定期自主検査
特定化学設備の定期自主検査は、設備の腐食、損傷、漏えいなどを確認し、結果を記録して保存します。
検査を実施した都度、その結果を所轄労働基準監督署長へ報告する制度ではありません。
作業主任者の選任
高圧室内作業主任者は、免許を受けた者から選任し、作業を指揮させます。
作業主任者を選任したこと自体について、この選択肢のような結果報告を行う制度ではありません。
作業環境測定
鉛業務を行う屋内作業場では、法令に基づいて空気中鉛濃度を測定し、結果を評価・記録します。
通常は測定結果を事業場で保存し、作業環境改善に用います。測定の都度、結果を監督署長へ報告するものではありません。
ひっかけポイント
「法令に基づいて実施するもの」でも、全てに行政報告義務があるわけではありません。健康診断、測定、自主検査、選任ごとに手続を分けます。
衛生管理者としての実務ポイント
報告の要否だけでなく、様式、提出時期、記録保存期間、異常時の是正措置を一覧化して管理すると、漏れを防止できます。
選択肢の確認
1.雇入時の有機溶剤等健康診断
報告義務はない。
雇入時の有機溶剤等健康診断は実施と記録が必要ですが、その結果を所轄労働基準監督署長へ報告する対象ではありません。
2.定期に行う特定化学物質健康診断
正しい。結果の報告が義務付けられている。
定期に行った特定化学物質健康診断については、所定の結果報告書を所轄労働基準監督署長へ提出します。
3.特定化学設備についての定期自主検査
報告義務はない。
特定化学設備の定期自主検査は、結果を記録して保存しますが、検査の都度、監督署長へ報告するものではありません。
4.高圧室内作業主任者の選任
報告義務はない。
高圧室内作業主任者の選任は必要ですが、選任結果をこの設問のように監督署長へ報告する義務はありません。
5.鉛業務を行う屋内作業場についての作業環境測定
報告義務はない。
鉛作業場の作業環境測定結果は記録・保存し、環境改善に利用しますが、測定の都度、監督署長へ報告するものではありません。
覚えるポイント
- 定期の特定化学物質健康診断結果は、所轄労働基準監督署長へ報告する。
- 雇入時の特殊健康診断は、定期健康診断の結果報告と区別する。
- 定期自主検査は、原則として記録保存が中心である。
- 作業環境測定は、測定、評価、記録、改善までつなげる。
- 実施義務、保存義務、報告義務を別々に整理する。