Y2024M10E1Q30|第2024年10月公表(第一種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
厚生労働省の「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、厚生労働省の高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドラインについて、経営トップの方針、推進体制、設備改善、体力チェック及び安全衛生教育が問われています。
適切なのは、経営トップが高年齢労働者の労働災害防止に取り組む姿勢を示し、安全衛生方針を表明する選択肢1です。
解説
高年齢労働者では、個人差は大きいものの、視力、聴力、平衡機能、敏しょう性、筋力などが加齢により変化することがあります。
一方、経験や技能を豊富に持つことも多いため、年齢だけで一律に作業を制限するのではなく、健康・体力の状況と作業のリスクを踏まえた対策を行います。
経営トップの方針と推進体制
経営トップは、高年齢労働者の安全と健康確保に取り組む姿勢を示し、その内容を安全衛生方針へ盛り込みます。
さらに、対策を担当する組織や担当者を指定し、責任と役割を明確にします。
施設・設備の改善
高年齢労働者でも安全に作業できるよう、次のような改善を検討します。
- 通路や作業場所の照度確保
- 段差の解消と手すりの設置
- 滑りにくい床や履物
- 重量物取扱いを補助する機器
- 不自然な姿勢を減らす作業台
- 視覚と聴覚の両方を利用した警報
高音域は加齢により聞き取りにくくなることがあるため、警報音には聞き取りやすい中低音域を用い、パトライトなどの視覚情報も組み合わせます。
体力チェック
体力チェックは、高年齢労働者自身の気付きを促し、必要な職場改善や体力維持へつなげるために継続的に行うことが望まれます。
評価基準を設ける場合は、安全衛生委員会等で審議し、合理的な水準に設定します。不利益取扱いを防ぐため、目的、同意、情報の取扱方法を明確にします。
安全衛生教育
高年齢労働者が経験豊富であっても、新しい設備、作業手順、職場の危険性に関する教育は必要です。
十分な時間をかけ、写真、図、映像、実演などを用いて、理解しやすい内容にします。再雇用や再就職で未経験の業務に就く場合は、特に丁寧な教育が必要です。
ひっかけポイント
高年齢労働者への配慮は、対策を減らすことではありません。担当者を明確にし、設備改善、体力把握、分かりやすい教育を丁寧に行います。
衛生管理者としての実務ポイント
年齢だけで判断せず、転倒、腰痛、交通事故、熱中症などの災害事例と、個々の健康・体力・作業経験を踏まえてリスクアセスメントを行います。
選択肢の確認
1.経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、企業全体の安全意識を高めるため、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明する。
適切である。
経営トップが方針を表明し、企業全体で取り組む姿勢を明確にすることは、ガイドラインに沿った対策です。
2.高齢者労働災害防止対策には、事業場全体で取り組むことが重要であることから、対策を推進するための特定の部署や担当者を指定することは避けるようにする。
適切でない。
事業場全体で取り組むためにも、担当する組織や担当者を指定し、推進体制と責任を明確にする必要があります。
3.身体機能が低下した高年齢労働者であっても安全に働き続けることができるよう、事業場の施設、設備、装置等の改善を行うが、危険を知らせるための警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい高音域の音を採用するとよい。
適切でない。
高齢者は高音域を聞き取りにくくなることがあります。警報音には中低音域を用い、視覚的な警報も組み合わせます。
4.高年齢労働者が自らの身体機能の維持向上に取り組めるよう、高年齢労働者を対象とした体力チェックを継続的に行うことが望ましいが、個々の労働者に対する不利益につながるおそれがあることから、体力チェックの評価基準は設けないようにする。
適切でない。
評価基準を設けること自体が禁止されているわけではありません。設ける場合は合理的な水準とし、情報管理や不利益取扱いの防止に配慮します。
5.高年齢労働者は、十分な経験を有しているため、改めて安全衛生教育を行うことは高年齢労働者の自尊心を損なうおそれがあるばかりでなく、長時間にわたり教育を行うことは身体面の負担が大きいことから、最小限の時間と内容で行うことが望ましい。
適切でない。
経験があっても安全衛生教育は必要です。十分な時間をかけ、写真、図、映像、実演などを用いて、理解しやすく丁寧に実施します。
覚えるポイント
- 経営トップは、高年齢労働者対策を盛り込んだ安全衛生方針を表明する。
- 対策を担当する組織や担当者を指定する。
- 警報音は聞き取りやすい中低音域とし、視覚情報も組み合わせる。
- 体力チェックの基準を設ける場合は、合理的な水準とする。
- 健康・体力情報の取扱いと不利益取扱い防止に配慮する。
- 安全衛生教育は、十分な時間をかけ、視覚教材や実演を活用する。