109Q213第109回 薬剤師国家試験 過去問

57 歳男性。身長175 cm、体重63 kg。患者は大腸がんの治療で、3 ケ月前 より病院でFOLFIRI 療法(イリノテカン注、レボホリナート注、フルオロウラシ ル静脈注射、フルオロウラシル持続注射)を施行していた。持続注射が辛いとの患 者の訴えがあり、XELOX 療法(カペシタビン・オキサリプラチン療法)に変更さ れ、今回、患者が処方1 及び処方2 の処方箋を持って、来局した。その際、患者か ら、「最近手のひらが赤くなって痛くなってきた」、「点滴をした日は手にしびれも 現れる」、「副作用がとても心配である」との訴えがあった。 (処方1 ) カペシタビン錠300 mg 1 回6 錠(1 日12 錠) 1 日2 回 朝夕食後 14 日分 休薬7 日間 (処方2 ) ヘパリン類似物質クリーム0.3%(25 g/本)4 本 両手・両足に適量を塗布 1 日4 回 朝昼夕就寝前 カペシタビンは、段階的にフルオロウラシルに代謝されるプロドラッグである。 体内におけるカペシタビンの代謝を示した下図に関する記述のうち、正しいのはど れか。2つ選べ。 O CH3 NH2 HN O F F N カルボキシルエステラーゼ N (肝臓) O N O N H3C H3C O O CH3 + A H H H H HO H H H H OH HO OH HO カペシタビン B O F HN ピリミジンヌクレオシド O シチジン デアミナーゼ ホスホリラーゼ O N F (腫瘍組織) HN H3C O H H O N H H H D フルオロウラシル OH HO C

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正解: 1・2

正答

1・2

この問題のポイント

カペシタビンのプロドラッグ化に使われた疎水性置換基と、カルバメート加水分解の生成物を確認します。

解説

カペシタビンの点線部はペンチルオキシカルボニル基で、分子の疎水性を高めて消化管吸収を改善します。肝カルボキシルエステラーゼによる加水分解では5'-デオキシ-5-フルオロシチジンへの変換に伴い、ペンタノールとカルバミン酸が生じ、後者は二酸化炭素とアンモニアへ分解するためAはCO2です。その後デアミナーゼ、腫瘍組織のチミジンホスホリラーゼを経て5-FUになります。

選択肢の確認

1.カペシタビンの点線で囲った構造は、分子の疎水性を高める。:正答です。ペンチル鎖を含む部分が脂溶性を高めます。
2.Aは二酸化炭素(CO2)である。:正答です。カルバメート加水分解後に脱炭酸します。
3.Bの糖部はD︲リボースである。:5位のヒドロキシ基を欠く5-デオキシ糖で、D-リボースそのものではありません。
4.Cの点線で囲った酸素原子は、水に溶けている酸素分子(O2)に由来する。 H3C H O H H:デアミナーゼ反応の酸素は水に由来します。
5.加リン酸分解で生じるDの構造式は H である。 OH OH HO:図示構造は生成する糖リン酸の構造・立体化学と一致しません。

覚えるポイント

カペシタビンは「肝エステラーゼ→シチジンデアミナーゼ→腫瘍のチミジンホスホリラーゼ」で5-FUになります。

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