109Q259第109回 薬剤師国家試験 過去問

25 歳女性。身長153 cm、体重40 kg。19 歳のときにクローン病と診断さ れ、メサラジンとアザチオプリンによる併用療法を実施していたが、効果不十分の ため1 年前よりアダリムマブ(遺伝子組換え)皮下注が追加となった。 2 週間前より、発熱、腹痛及び下痢があり検査目的で入院となった。内視鏡検査 の結果、症状が悪化していることが分かり、アダリムマブが以下の処方1 に変更さ れるとともに、処方2 が追加された。 (処方1 ) ウステキヌマブ(遺伝子組換え)130 mg 1 日1 回 2 バイアル 生理食塩液250 mL 点滴静注 1 回分 (処方2 ) エレンタール配合内用剤※80 g 1 回1 袋(1 日3 袋)朝昼夕 7 日分 ※成分栄養剤 クローン病の症状寛解を目的とした薬物の作用機序のうち、今回までに処方され てきたのとは異なるのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: 1・5

正答

1・5

この問題のポイント

これまでの薬歴を、標的ごとにアダリムマブ、ウステキヌマブ、アザチオプリンへ対応させ、未使用の機序を選びます。

解説

アダリムマブはTNF-αを中和するため2、ウステキヌマブはIL-12/23共通のp40サブユニットを標的とするため3に該当します。アザチオプリンは6-メルカプトプリンへ変換後、チオイノシン酸などを介してプリン合成を抑えるため4に該当します。これまでの処方には、α4β7インテグリンを標的としてリンパ球の腸管移行を抑えるベドリズマブも、細胞内グルココルチコイド受容体を介して抗炎症作用を示す副腎皮質ステロイドもありません。したがって異なる機序は1と5です。

選択肢の確認

1.リンパ球表面に発現するa4 b7 インテグリンに結合することで、リンパ球の腸 管粘膜への浸潤を阻害する。:正答。ベドリズマブの機序で未処方です。
2.可溶性及び膜結合型TNF︲a に特異的に結合することで、TNF︲a の受容体へ の結合を阻害する。:アダリムマブで既に用いた機序です。
3.IL︲12 及びIL︲23 のp40 サブユニットに結合することで、ヘルパーT 細胞の活 性化を抑制する。:ウステキヌマブの機序です。
4.生体内でチオイノシン酸となり、イノシン酸と拮抗してプリンヌクレオチドの 生合成を阻害する。:アザチオプリンに対応します。
5.細胞内でグルココルチコイド受容体に結合し、核内移行して遺伝子転写を調節 することで、抗炎症作用を示す。:正答。今回までの処方にはない機序です。

覚えるポイント

抗TNF=アダリムマブ、抗p40=ウステキヌマブ、抗α4β7=ベドリズマブです。

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