110Q107|第110回 薬剤師国家試験 過去問
下図は、インスリンの構造を模式的に示している。図中の はアミノ酸残基 を示し、特徴のあるアミノ酸残基を3 文字表記している。 N末端 C末端 S S A鎖 Asn Cys Cys Cys Cys 21 11 6 1 20 7 S S C末端 S S N末端 B鎖 Asn Lys Pro Thr Cys Cys 30 1 3 7 10 19 28 インスリン ( の部分はアミノ酸残基を省略している。) 近年、インスリンの化学構造を部分的に改変することで、治療目的に沿った血糖 降下作用を発揮するインスリンアナログ製剤(1 ~5 )が開発されている。このう ち、構造改変によりインスリンの等電点(pI 約5.4)を中性付近(pI 約6.7)に 近づけることにより、生理的pH で等電点沈殿を起こし、皮下で徐々に溶解、吸収 され、1 日1 回の皮下投与で安定した血糖降下作用を示すのはどれか。1つ選べ。 なお、各アナログ製剤の構造はインスリンと同様な方法で図示しており、図中の はインスリンと異なるアミノ酸残基を示す。 S S Asn Cys Cys Cys Cys 21 11 6 1 20 7 S S 1 S S Asn Pro Lys Thr Cys Cys 30 1 3 7 10 19 28 S S Gly Cys Cys Cys Cys 21 11 6 1 20 7 S S 2 S S Asn Lys Arg Pro Thr Arg Cys Cys 30 1 3 7 10 19 28 S S Asn Cys Cys Cys Cys 21 11 6 1 20 7 S S 3 S S Lys Glu Pro Thr Cys Cys 30 1 3 7 10 19 28 S S Asn Cys Cys Cys Cys 21 11 6 1 20 7 S S 4 S S CO2H N H Asn Pro Cys Cys 1 3 7 10 19 28 HN O H N HO2C O CO2H S S Asn Cys Cys Cys Cys 21 11 6 1 20 7 S S 5 S S Asn Lys Asp Thr Cys Cys 30 1 3 7 10 19 28

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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
A鎖21位AsnをGlyへ置換し、B鎖末端へArgを2残基付加した構造2はインスリン グラルギンです。塩基性残基でpIが上がります。
解説
インスリン グラルギンはA21 Asn→Gly置換とB31・B32へのArg付加を受けています。Argの正電荷により等電点が中性側へ移り、酸性製剤として注射した後、生理的pHの皮下で微細沈殿を形成します。沈殿から緩徐に溶解して持続的に吸収されるため、基礎インスリンとして1日1回使用できます。ほかの構造はB28/B29置換による超速効型や、脂肪酸修飾・多量体形成を利用する持効型で、グラルギンと機序が異なります。
選択肢の確認
1.選択肢1(画像参照):B28とB29のPro・Lysを入れ替えた超速効型の構造です。
2.選択肢2(画像参照):正答。A21 GlyとB鎖末端Arg-Argをもつグラルギンです。
3.選択肢3(画像参照):B3とB29を置換した超速効型の構造です。
4.選択肢4(画像参照):B鎖へ長鎖脂肪酸様側鎖を付加した持効型で、等電点沈殿型ではありません。
5.選択肢5(画像参照):B28をAspへ置換した超速効型の構造です。
覚えるポイント
グラルギン=A21 Gly+B31/B32 Arg=pI上昇・皮下沈殿。リスプロ、アスパルト等と構造で区別します。