110Q243第110回 薬剤師国家試験 過去問

ある高校で、夏休み前の7 月に野球大会を開催することとなった。大会当 日に、熱中症を防止する目的で、体育の教諭がグラウンドの中央付近の高さ約1 m の地点で、乾球温度計及び黒球温度計を用いて温度を測定した。また、同時に電気 式湿度計で相対湿度を測定した。午前8 時及び午後2 時の測定結果を表1 に示し た。 表1 測定結果 午前8 時 午後2 時 乾球温度(℃) 28.0 32.0 黒球温度(℃) 34.0 38.0 相対湿度(%) 80.0 30.0 表2 乾球温度と相対湿度から湿球温度(℃)を求める表(標準気圧の場合) 相対湿度(%) 乾球温度(℃) 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 25 15 15 16 17 18 19 20 20 21 22 22 23 24 26 15 16 17 18 19 20 20 21 22 23 23 24 25 27 16 17 18 19 20 20 21 22 23 24 24 25 26 28 17 18 19 20 20 21 22 23 24 24 25 26 27 29 17 18 19 20 21 22 23 24 25 25 26 27 28 30 18 19 20 21 22 23 24 25 26 26 27 28 29 31 19 20 21 22 23 24 25 26 26 27 28 29 30 32 19 21 22 23 24 25 26 26 27 28 29 30 31 33 20 21 22 24 25 26 26 27 28 29 30 31 32 34 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 32 野球大会当日、複数の生徒が体調不良を訴え、保健室で手当てを受けた。この高 校では、教育委員会が作成した「学校における熱中症対策ガイドライン」をもとに 今後の対策を話し合うこととなり、熱中症を防止するために必要な注意事項につい て学校薬剤師に助言を求めた。 学校薬剤師が学校に対して行う助言の内容として、正しいのはどれか。2つ選 べ。

2つ選択
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正解: 3・5

正答

3・5

この問題のポイント

熱中症リスクは気温だけでなく、湿度、風、輻射熱、暑熱順化で決まります。WBGTはこれらを総合する指標です。

解説

湿球温度が高いことは空気の湿度が高く、汗の蒸発による放熱が妨げられることを意味するため、熱中症リスクは上がります。黒球温度は日射や周囲からの赤外線による輻射熱の影響を主に反映し、紫外線だけの指標ではありません。風は通常蒸発・対流を促しますが、気温が皮膚温を超えるほど高い場合には熱風から熱を受け、感覚温度が十分に下がらないことがあります。体育館内でも高温多湿や屋根・壁からの輻射熱があり、熱中症は起こります。梅雨明けなど体が暑さに順化していない時期は発汗・循環調節が不十分で高リスクです。

選択肢の確認

1.乾球温度と気動が同じ場合には、湿球温度が高いほど熱中症のリスクは減少する。:湿度が高く放熱しにくいため増加します。
2.WBGT の算出に用いる黒球温度は、紫外線の影響を最も強く受ける。:主に輻射熱を反映します。
3.乾球温度が高い場合には、風があっても感覚温度が下がらないことがある。:正答です。
4.体育館内の競技では、熱輻射の影響が無いので熱中症のリスクはない。:屋内でも熱中症は起こります。
5.体が暑さに慣れていない時期は、熱中症のリスクが高まる。:正答。暑熱順化前は注意します。

覚えるポイント

高湿度・高輻射・順化不足は危険。屋内でもWBGTと体調を確認し、運動を調整します。

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