110Q279第110回 薬剤師国家試験 過去問

36 歳女性。糖尿病の家族歴あり。妊娠のため、近隣の産婦人科クリニック を受診した。妊娠初期から定期的に血糖測定していたところ、血糖値の上昇傾向が 見られ、食事療法を行っていた。妊娠24 週時(妊娠中期)に実施した75 g ブドウ糖 負荷試験で、空腹時血糖値98 mg/dL、1 時間値192 mg/dL、2 時間値180 mg/dL であったため、紹介された総合病院に管理入院し、食事療法に加えて、血糖自己測 定及びインスリン療法が導入された。 (処方1 ) インスリンデテミル(遺伝子組換え) 300 単位/3 mL 1 筒 1 回3 単位 1 日1 回 就寝前 皮下注射(自己注射) (処方2 ) インスリンアスパルト(遺伝子組換え) 300 単位/3 mL 1 筒 1 回3 単位 1 日3 回 朝昼夕食直前 皮下注射(自己注射) (入院時検査値) 白血球8,500/μL、Hb 12.0 g/dL、血小板32.0 × 10 4/μL、 随時血糖178 mg/dL、HbA1c 5.7% 処方1 の薬剤が持効性を示す機構として、正しいのはどれか。1つ選べ。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

インスリンデテミルの名称と、持効型インスリンアナログごとの作用持続化機構を対応させます。デテミルでは脂肪酸側鎖とアルブミン結合が鍵です。

解説

インスリンデテミルは、インスリン分子に脂肪酸側鎖を導入した製剤です。皮下注射部位で自己会合し、脂肪酸側鎖を介して組織中および血中のアルブミンへ可逆的に結合します。遊離して作用部位へ移る速度が遅くなるため、吸収・分布が緩徐となり持効性を示します。ほかの持効化機構として、デグルデクのマルチヘキサマー形成、グラルギンの生理的pHでの微細沈殿、NPHインスリンのプロタミン複合体を区別します。

選択肢の確認

1.インスリン分子を結晶化することで、溶解性を低下させた。:デテミルの持効化を説明する機構ではありません。
2.投与後、皮下組織において、インスリン分子が安定した可溶性のマルチヘキサ マーを形成するようにした。:主にインスリンデグルデクの機構です。
3.インスリン分子の等電点を改変することで、生理的なpH で微細な沈殿物を形 成するようにした。:インスリングラルギンの機構です。
4.インスリン分子に脂肪酸を結合させることで、血中でアルブミンと複合体を形 成するようにした。:正答。デテミルの吸収と分布を緩徐にします。
5.インスリン分子をプロタミン硫酸塩との複合体とすることで、溶解速度を低下 させた。:NPHインスリンで用いられる機構です。

覚えるポイント

デテミルは脂肪酸・アルブミン、デグルデクはマルチヘキサマー、グラルギンは微細沈殿、NPHはプロタミンです。

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