111Q324|第111回 薬剤師国家試験 過去問
46 歳男性。消化性潰瘍の既往あり。高血圧症及び脂質異常症に対し処方1 の薬剤による治療を行っている。先日、急に話しづらさを感じ、かかりつけ医の紹 介で別の医療機関において画像検査を受けた結果、TIA(一過性脳虚血発作)と診 断されて入院となり、処方2 の薬剤による治療が開始された。 (処方1 ) アムロジピン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) ロスバスタチン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 28 日分 (処方2 ) アスピリン腸溶錠 100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 3 日分 (処方3 ) アスピリン腸溶錠 100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 28 日分 処方2 の薬剤による治療開始時に、病院で薬剤師が患者に説明する内容として適 切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 3・5
正答
3・5
この問題のポイント
低用量アスピリンはTIA後の血栓再発予防薬です。消化性潰瘍・出血のリスクと、処置前の休薬指示を説明します。
解説
アスピリン100 mgは血小板COX-1を不可逆的に阻害してトロンボキサンA2産生を抑え、TIA後の脳梗塞再発を予防します。既に生じた神経学的後遺症を治す薬ではありません。消化管粘膜障害と抗血小板作用により消化性潰瘍・消化管出血を起こし得るため、潰瘍既往のある本例では腹痛、黒色便、吐血等を説明し、胃保護策も検討します。納豆制限が必要なのは主にワルファリンで、アスピリンではありません。解熱鎮痛作用がある成分でも、この低用量であらゆる発熱・頭痛を防ぐわけではありません。検査・手術・抜歯時は出血と血栓リスクを医師が評価し、休薬を指示する場合があります。
選択肢の確認
1.この薬は TIA による後遺症の治療薬である。:再発予防が目的です。
2.この薬の服用中は納豆の摂取を控える必要がある。:ワルファリンのような制限はありません。
3.消化性潰瘍が再発することがある。:正答。潰瘍・出血に注意します。
4.この薬の服用中は発熱や頭痛が起こらない。:低用量でそれらを完全に防ぎません。
5.出血リスクがあるため、検査や手術等の際は服用中止が指示される場合がある。:正答。自己中止せず指示を確認します。
覚えるポイント
抗血小板薬は自己中止せず、出血徴候と処置予定を医療者へ必ず伝えます。