Y2020M04Q402020年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問

エックス線の生体に与える影響に関する知識生体影響の基礎事項

放射線による生物学的効果に関する次の現象のうち、放射線の間接作用によって説明することができないものはどれか。

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正解: 4

正答

(4)

この問題のポイント

低LETのX線では間接作用の寄与が大きくなります。直接作用は二次電子がDNAを直接電離・励起し、間接作用は水由来ラジカルを介して標的を損傷します。直接作用は二次電子がDNAなどの標的分子を直接電離・励起する過程、間接作用は水の放射線分解で生じるラジカルを介する過程です。

解説

直接作用は二次電子がDNAなどの標的分子を直接電離・励起する過程、間接作用は水の放射線分解で生じるラジカルを介する過程です。低LETのX線では間接作用の寄与が大きくなります。

一定線量で生じるラジカル数はほぼ一定なので、希薄域で不活性化される酵素の絶対数が濃度へ単純比例するとは説明できません。

選択肢の確認

1.生体中に存在する酸素の分圧が高くなると放射線の生物学的効果は増大する。
× 判定:正答ではない(間接作用で説明できる現象)。酸素分圧が高いとラジカル損傷が酸素により固定され、低LET放射線の生物効果が増大する酸素効果が現れます。

2.温度が低下すると放射線の生物学的効果は減少する。
× 判定:正答ではない(間接作用で説明できる現象)。低温ではラジカル拡散や化学反応が抑えられるため、間接作用による生物効果は小さくなります。

3.生体中にシステイン、システアミンなどのSH基をもつ化合物が存在すると放射線の生物学的効果が軽減される。
× 判定:正答ではない(間接作用で説明できる現象)。システイン等のSH化合物はラジカルを捕捉し、生体高分子への間接作用を減らす放射線防護効果を示します。

4.溶液中の酵素の濃度を変えて一定線量の放射線を照射するとき、不活性化される酵素の分子数は酵素の濃度に比例する。
○ 判定:正答(現象自体は成り立つが、間接作用では説明できない)。直接作用では各酵素分子が放射線の直接ヒットを受ける確率がほぼ一定なので、酵素濃度が高く分子数が多いほど不活性化分子数も比例して増えます。この現象自体は成り立ちますが、一定数の水由来ラジカルが標的と反応する間接作用ではなく、直接作用に整合します。

5.溶液中の酵素の濃度を変えて一定線量の放射線を照射するとき、酵素の濃度が減少するに従って、酵素の全分子数のうち、不活性化される分子の占める割合は増大する。
× 判定:正答ではない(間接作用で説明できる現象)。一定数のラジカルがより少ない酵素へ作用するため、酵素濃度を下げるほど不活性化割合が増す希釈効果です。

覚えるポイント

希釈効果は標的分子濃度が低いほど不活性化割合が増える現象です。低温はラジカル拡散を抑え、SH化合物はラジカルを捕捉するため間接作用を弱めます。一定線量で生じるラジカル数はほぼ一定なので、希薄域で不活性化される酵素の絶対数が濃度へ単純比例するとは説明できません。

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