Y2021M04Q3|2021年4月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
特性エックス線に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 2
正答
(2)
この問題のポイント
管電圧がK殻の励起しきい値未満でも、より結合エネルギーの低いL殻等の励起電圧を超えていれば、L系列等の特性X線は発生し得ます。高原子番号元素ほどK殻結合エネルギーが高いため、K励起電圧はタングステンの方がモリブデンより高くなります。
解説
特性X線は内殻空孔を外側の電子が埋めるときの殻間エネルギー差で生じます。K励起電圧未満でもより低いしきい値のL系列は生じ得ます。オージェ効果はX線放出の代わりに電子を放出する過程です。
Moseley則に対応して原子番号が大きい元素ほど特性X線のエネルギーは高く、波長は長くではなく短くなります。
選択肢の確認
1.特性エックス線の波長は、ターゲット元素の原子番号が大きくなると長くなる。
判定:正答ではない(記述・組合せは誤り)。 Moseley則に対応して原子番号が大きい元素ほど特性X線のエネルギーは高く、波長は長くではなく短くなります。
2.ターゲット元素がタングステンの場合のK 励起電圧は、タングステンより原子番号の小さい銅やモリブデンの場合に比べて高い。
判定:正答(記述・組合せは正しい)。 高原子番号元素ほどK殻結合エネルギーが高いため、K励起電圧はタングステンの方がモリブデンより高くなります。両者の高低関係が逆です。
3.管電圧がK励起電圧を下回るときは、K 系列以外の系列の特性エックス線も発生することはない。
判定:正答ではない(記述・組合せは誤り)。 管電圧がK殻の励起しきい値未満でも、より結合エネルギーの低いL殻等の励起電圧を超えていれば、L系列等の特性X線は発生し得ます。
4.K 殻電子が電離されたことによって特性エックス線が発生することをオージェ効果という。
判定:正答ではない(記述・組合せは誤り)。 オージェ効果は、殻の遷移エネルギーをX線で放出せず別の電子に与え、オージェ電子を放出する無輻射過程です。
5.特性エックス線は、原子核のエネルギー準位の遷移に伴い、原子核から放出される。
判定:正答ではない(記述・組合せは誤り)。 特性X線は原子核からではなく、内殻空孔を外側の軌道電子が埋める原子電子の準位遷移で発生します。
覚えるポイント
オージェ効果は、殻の遷移エネルギーをX線で放出せず別の電子に与え、オージェ電子を放出する無輻射過程です。特性X線は内殻空孔を外殻電子が埋めるときの殻間エネルギー差で生じます。線エネルギーは元素固有で、管電圧は強度を変えても励起後の線位置を変えません。Moseley則に対応して原子番号が大きい元素ほど特性X線のエネルギーは高く、波長は長くではなく短くなります。