30PM140|第30回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
過去問題(未分類)第30回午後(科目未分類)
次の文で示す症例に対する罹患筋への局所治療穴として適切なのはどれか。「17歳の男子。陸上部で長距離走をしている。ランニングを開始すると下腿前方に痛みと腫れが出るが、数十分の安静で症状が消失する。近医で前方コンパートメント症候群と言われた。」
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
前方コンパートメント症候群の罹患筋を特定し、その筋の上にある経穴を選ぶ問題です。
選択肢が下合穴で示されているため、二段階で考えます。
解説
下腿の**前方コンパートメント(前方区画)**には、前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋と深腓骨神経、前脛骨動脈が入っています。運動により筋が腫脹すると区画内圧が上がり、痛みと腫れが生じ、休むと軽快する労作性(慢性)コンパートメント症候群となります。したがって罹患筋は前脛骨筋を中心とする下腿前面の伸筋群です。
次に、選択肢の下合穴を経穴名に直します。小腸の下合穴は下巨虚(犢鼻の下方9寸)、膀胱の下合穴は委中(膝窩横紋の中点)、三焦の下合穴は委陽(膝窩横紋外端)、胆の下合穴は陽陵泉(腓骨頭前下方)です。
このうち、下巨虚は足の陽明胃経の経穴で下腿前面にあり、前脛骨筋の上に位置します。したがって罹患筋への局所治療穴として最も適切であり、正答となります。
なお、急性のコンパートメント症候群は緊急の外科的処置を要する病態であり、強い痛みや知覚障害、脈拍の消失を伴う場合は速やかな医療機関の受診が必要です。
選択肢の確認
1.小腸の下合穴
正しい。下巨虚であり、下腿前面の前脛骨筋の上にあります。
2.膀胱の下合穴
誤り。委中であり、膝窩にあります。
3.三焦の下合穴
誤り。委陽であり、膝窩横紋の外端にあります。
4.胆の下合穴
誤り。陽陵泉であり、腓骨頭の前下方にあります。
覚えるポイント
- 下腿の前方区画=前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、深腓骨神経、前脛骨動脈。
- 下合穴=胃は足三里、大腸は上巨虚、小腸は下巨虚、膀胱は委中、三焦は委陽、胆は陽陵泉。
- 前脛骨筋上の経穴=足三里、上巨虚、条口、下巨虚、豊隆。
- 急性コンパートメント症候群は緊急性が高く、速やかな受診が必要。