34Q100|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
言葉の発音が不明瞭になる原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.口唇が閉じにくくなること
この問題のポイント
発音には、呼吸、声帯、口唇、舌、下顎、軟口蓋などの協調した運動が必要です。口唇を閉じにくくなると、口腔内の空気を適切にせき止められず、特にパ行・バ行・マ行などの両唇音が不明瞭になります。
解説
言葉を発する際は、肺から出た呼気で声帯を振動させて音を作り、その音を口唇、舌、下顎、歯、軟口蓋などの位置や動きによって言葉の音へ整えます。この過程を構音といいます。
パ行・バ行・マ行は、上下の口唇を接触させて作る両唇音です。たとえばパ行とバ行では、閉じた口唇の内側に呼気圧をため、口唇を開くことで音を作ります。口唇が十分に閉じられないと空気が漏れ、必要な圧を作れないため、音が弱くなったり別の音のように聞こえたりして、発音が不明瞭になります。
口唇閉鎖不全の原因には、顔面神経麻痺、脳血管障害による運動障害、口腔周囲筋の筋力低下、口腔形態や義歯の問題などがあります。口唇閉鎖は発音だけでなく、食物を口の中に保持すること、唾液が流れ出るのを防ぐこと、嚥下にも関係します。
舌はタ行、ナ行、ラ行、カ行など多くの音を作るために重要で、適切で活発な舌運動は発音を明瞭にします。また、歯を失った人に適切に調整された義歯を使用することは、歯と舌の位置関係や口腔内の形態を整え、発音の改善につながります。
ひっかけポイント
発音を不明瞭にするのは、口唇や舌の運動が低下・不調和になる場合です。「舌運動が活発」「調整された義歯」など、構音を助ける状態を原因として選ばないようにします。
介護実践でのポイント
発音の変化を年齢のせいと決めつけず、口唇・舌の動き、顔面の左右差、義歯、口腔乾燥、声量、嚥下状態を観察します。発音不明瞭が突然現れ、顔のゆがみや片側の手足の力が入りにくい症状を伴う場合は、脳卒中を疑って直ちに救急対応します。
選択肢の確認
1.唾液の分泌が増加すること
誤りです。
唾液は口腔を潤し、滑らかな発音を助けます。極端な唾液貯留が会話へ影響する場合はありますが、分泌増加そのものは、この設問で最も直接的な原因ではありません。
2.舌運動が活発化すること
誤りです。
舌の適切な運動は、タ行、ナ行、ラ行、カ行などを作り分け、発音を明瞭にします。舌運動の低下や協調不良が不明瞭さの原因になります。
3.口角が上がること
誤りです。
左右の口角を適切に動かせることは、口唇や表情筋の働きが保たれている状態です。口角が動かない、左右差がある場合に構音へ影響することがあります。
4.調整された義歯を使用すること
誤りです。
適切に調整された義歯は、歯列や口腔内の形を補い、発音を助けます。合わない義歯や歯の欠損は、発音を不明瞭にする原因になり得ます。
5.口唇が閉じにくくなること
正しいです。
口唇を閉じられないと呼気が漏れ、両唇音を作るための圧と動きを確保できないため、発音が不明瞭になります。
覚えるポイント
- 構音には、口唇・舌・下顎・歯・軟口蓋などの協調運動が必要である。
- パ行・バ行・マ行は、上下の口唇を使う両唇音である。
- 口唇閉鎖不全は、発音不明瞭、流涎、食べこぼしなどにつながる。
- 適切な舌運動と調整された義歯は発音を助ける。
- 突然の発音不明瞭は脳卒中の可能性があるため、速やかに対応する。