34Q105|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
Mさん(85歳、男性)は、通所介護(デイサービス)での入浴を楽しみにしていて、いつも時間をかけて湯につかっている。ある時、介護福祉職が、「そろそろあがりましょうか」と声をかけると、浴槽から急に立ち上がりふらついてしまった。 Mさんがふらついた原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.血圧の低下
この問題のポイント
長時間の入浴後に急に立ち上がったことで生じる血圧変化を考える問題です。温熱による血管拡張と、立ち上がりによる血液の下方移動が重なると、一時的に脳への血流が減ってふらつくことがあります。
解説
湯につかると身体が温まり、皮膚の血管が広がります。さらに浴槽内では水圧が身体にかかっていますが、浴槽から立ち上がるとその水圧が急に弱まり、血液が下肢にたまりやすくなります。高齢者では血圧を調節する反応が遅れやすいため、急に立ち上がると血圧が低下し、脳への血流が一時的に不足して、ふらつきや立ちくらみを起こすことがあります。
本事例では、Mさんが長時間湯につかった後、声をかけられて急に立ち上がっています。この経過から、最も考えやすい原因は血圧の低下です。転倒や溺水につながる危険があるため、まず身体を支えて安全な姿勢に戻し、意識、顔色、呼吸、脈拍、血圧などを確認します。症状が続く場合や意識状態に変化がある場合は、看護職などへ速やかに報告します。
予防のためには、湯温と入浴時間を本人の状態に合わせ、入浴前後の水分摂取や体調確認を行います。浴槽から出るときは、手すりを使い、いったん座位をとるなどして、ゆっくり段階的に立ち上がることが大切です。
ひっかけポイント
入浴によって体温、呼吸数、心拍数が変化することはありますが、「長湯の後に急に立ち上がってふらついた」という場面では、血圧低下による立ちくらみを最優先で考えます。
介護実践でのポイント
「そろそろ上がりましょう」と急かすのではなく、本人の反応を確認し、「手すりを持って、ゆっくり身体を起こしましょう」と具体的に声をかけます。入浴中はプライバシーに配慮しながらも、安全確認を途切れさせません。
選択肢の確認
1.体温の上昇
適切ではありません。
長時間の入浴で体温が上がることはありますが、急に立ち上がった直後のふらつきを最も直接的に説明するのは血圧の低下です。
2.呼吸数の増加
適切ではありません。
熱い湯や身体負担によって呼吸数が増える場合はありますが、この場面の立ちくらみの主な原因としては血圧低下が適切です。
3.心拍数の増加
適切ではありません。
入浴で心拍数が増えることはありますが、それ自体が本事例のふらつきを最もよく説明するものではありません。
4.動脈血酸素飽和度の低下
適切ではありません。
呼吸器疾患などがなければ、入浴後に急に立ったことだけで動脈血酸素飽和度が低下するとは考えにくく、本事例の経過にも合いません。
5.血圧の低下
正答。最も適切です。
温熱による血管拡張と、立位になったときの血液の下方移動により、一時的に血圧が低下して脳血流が減り、ふらついたと考えられます。
覚えるポイント
長湯の後に急に立つと、血圧が低下して立ちくらみや転倒が起こりやすくなります。
浴槽からは、手すりを使ってゆっくり段階的に立ち上がります。
ふらついたら安全を確保し、意識、顔色、呼吸、脈拍、血圧などを観察して報告します。