34Q21|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
Hさん(75歳、女性、要介護2)は、孫(17歳、男性、高校生)と自宅で二人暮らしをしている。Hさんは関節疾患(joint disease)があり、通所リハビリテーションの利用を開始した。介護福祉職が送迎時に孫から、「祖母は、日常生活が難しくなり、自分が食事を作るなどの機会が増え、家事や勉強への不安がある」と相談された。 介護福祉職の孫への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.「高校の先生や介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談していきましょう」
この問題のポイント
17歳の孫が、祖母の食事づくりなどを担い、家事と勉強への不安を訴えています。家族だから介護を続けて当然と考えるのではなく、ヤングケアラーの可能性を意識し、本人の学校生活と祖母の生活の両方を支える関係者につなぐことが重要です。
解説
孫は高校生でありながら、Hさんの日常生活を支えるために食事づくりなどの家事を担う機会が増え、勉強との両立に不安を感じています。このように、本来は大人が担うと考えられる家事や家族の世話を日常的に行い、その負担が学校生活や心身の状態に影響している子ども・若者は、ヤングケアラーに該当する可能性があります。
介護福祉職は、孫の負担を家族内の問題として片づけず、本人の話を丁寧に聴き、必要な支援につなぐ役割があります。高校の先生やスクールソーシャルワーカーなどは、学習、出席、進路、学校生活上の困りごとを把握し、校内外の支援につなげることができます。介護支援専門員は、Hさんの心身状況や生活課題、現在のサービス、孫の介護負担を確認し、通所リハビリテーション以外のサービスを含めてケアプランを見直すことができます。
支援では、孫に介護を続けるよう求めるのではなく、孫が学業、友人関係、休息など年齢に応じた生活を送れるようにすることが大切です。同時に、Hさんの意思や希望を確認し、必要な介護を安定して受けられる体制を整えます。
介護実践でのポイント
子どもや若者から家族介護の負担について相談を受けたときは、「家族だから当然」と考えず、本人の睡眠、学習、欠席、心身の疲れ、相談できる人の有無を確認します。本人の同意と安全に配慮しながら、学校、介護支援専門員、自治体の相談窓口などと連携します。
ひっかけポイント
祖母の支援と孫の支援は、どちらか一方を選ぶものではありません。Hさんに必要な介護サービスを整えることが、孫の負担軽減と学校生活の保障にもつながります。
選択肢の確認
1.「今までお世話になったのですから、今度はHさんを支えてください」
適切ではありません。
家族から世話を受けたことを理由に、17歳の孫へ介護を当然の役割として求めています。孫の学習や生活への影響を無視し、負担をさらに強めるおそれがあります。
2.「家事が大変なら、Hさんに介護老人福祉施設の入所を勧めましょう」
適切ではありません。
孫の負担軽減は必要ですが、Hさんの心身状況、希望、在宅生活を支える方法を確認せず、直ちに施設入所へ結びつけるのは適切ではありません。まず、本人と家族の意向を聴き、利用可能な支援を検討します。
3.「高校の先生や介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談していきましょう」
正答。最も適切です。
学校生活を支える関係者と、Hさんの介護サービスを調整する介護支援専門員につなぐことで、孫の学業と生活、Hさんの介護の両面から支援できます。孫だけに負担を抱え込ませない対応です。
4.「家でもリハビリテーションを一緒にしてください」
適切ではありません。
孫はすでに家事と勉強への不安を訴えています。さらにリハビリテーションの役割を課すと負担を増やします。また、家庭で行う運動などは、専門職の評価と本人への説明に基づいて検討すべきです。
5.「近所の人に家事を手伝ってもらってください」
適切ではありません。
地域の協力が支えになる場合はありますが、孫に近所への依頼を一任するのは適切ではありません。Hさんと孫の意向、プライバシー、地域との関係を確認し、必要に応じて専門職が調整します。
覚えるポイント
ヤングケアラーが疑われるときは、家族介護を当然視せず、子ども・若者の学習、健康、生活を守ります。
学校関係者は学校生活の支援、介護支援専門員は要介護者のサービス調整を担います。
本人と家族の意思を確認し、多機関で家族全体を支えることが基本です。