36Q41第36回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ認知症の理解

認知症(dementia)の人にみられる、せん妄に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 4

正答

4.体調の変化が誘因になる。

この問題のポイント

せん妄と認知症の経過の違いを見分ける問題です。

せん妄は、注意や意識、認知機能が急に変化し、短時間のうちにも症状が揺れ動く状態です。感染症、脱水、低酸素、痛み、便秘、尿閉、薬剤の開始・変更、手術、睡眠不足、環境の変化など、身体や生活状況の変化が誘因になります。

解説

せん妄は、数時間から数日という比較的短い期間に発症する注意・意識・認知の障害です。会話がまとまりにくい、場所や時間がわからない、幻覚がみられる、落ち着かなくなる、反応が乏しくなるなど、多様な症状が現れます。

認知症では、一般に意識は清明なまま認知機能が慢性的に低下します。これに対して、せん妄では意識の明瞭さや注意機能が障害されます。開眼し会話ができていても、周囲の情報に注意を向け続けられないことがあります。

せん妄の症状は一定ではなく、同じ日の中でもよくなったり悪くなったりします。夕方から夜間に強くなることも多く、昼夜逆転を伴う場合があります。ただし、日中にも起こるため、時間帯だけで判断してはいけません。

認知症のある人に急な混乱がみられたときは、「認知症が進行した」と決めつけず、発熱、呼吸状態、食事・水分摂取、排泄、痛み、睡眠、薬の変更、転倒、環境変化などを確認します。誘因となる身体状態への早期対応によって改善する可能性があります。

ひっかけポイント
認知症は一般にゆっくり進行しますが、せん妄は急に始まり、症状が変動します。「急性発症」「注意障害」「意識の変化」「日内変動」が見分ける手がかりです。

介護実践でのポイント
いつもと違う様子を認めたら、安全を確保し、発症時刻、症状の変化、バイタルサイン、摂取量、排泄、服薬などを観察して医療職へ速やかに報告します。強く訂正したり責めたりせず、騒音やまぶしい光を減らし、安心できる環境を整えます。

選択肢の確認

1.ゆっくりと発症する。
誤り。
せん妄は、数時間から数日で急に発症することが特徴です。ゆっくりと進行する認知症の経過と混同しないようにします。

2.意識は清明である。
誤り。
せん妄では意識の明瞭さが低下し、周囲への注意を保ちにくくなります。開眼して会話ができる場合でも、意識が完全に清明とはいえません。

3.注意機能は保たれる。
誤り。
注意を向ける、保つ、切り替えることの障害は、せん妄の中心的な特徴です。話の途中で注意がそれる、指示を追えないなどの変化がみられます。

4.体調の変化が誘因になる。
正答。最も適切です。
感染症、脱水、低酸素、疼痛、便秘、尿閉、薬剤の影響などの体調変化が、せん妄を引き起こすことがあります。原因や誘因を確認して対応することが重要です。

5.日中に多くみられる。
誤り。
せん妄は日中にも起こりますが、夕方から夜間に悪化することが少なくありません。「日中に多い」とするのは適切ではありません。

覚えるポイント

せん妄は、急に始まり、症状が変動する注意・意識・認知の障害です。

感染、脱水、薬剤、痛み、排泄障害、低酸素、環境変化などが誘因になります。

興奮する過活動型だけでなく、ぼんやりして反応が乏しい低活動型もあります。

認知症のある人の急な変化を、認知症の進行だけで説明しないことが大切です。

観察、安全確保、医療職への報告、原因への対応を速やかに行います。

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