36Q46第36回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ認知症の理解

バリデーション(validation)に基づく、認知症(dementia)の人の動きや感情に合わせるコミュニケーション技法として、正しいものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4 または 5

正答

4.ミラーリング(mirroring)または5.カリブレーション(calibration)

4又は5のどちらか一方を選べば正答です。

この問題のポイント

バリデーションにおいて、認知症の人の言葉だけでなく、姿勢、動き、表情、声の調子、呼吸、感情の強さなどに合わせて関係をつくる技法を理解する問題です。

ミラーリングは相手の動きや表情などを映すように合わせる技法で、カリブレーションは相手の呼吸、動作、緊張、声、感情の状態を細かく観察して同調する技法です。本問の表現では、どちらも該当します。

解説

バリデーションは、認知症の人が表している感情や欲求には意味があると考え、否定や訂正を急がず、共感的に受け止めて信頼関係を築くコミュニケーション方法です。

ミラーリングでは、相手の姿勢、反復する動き、表情、声や音などを、からかったり機械的にまねたりするのではなく、敬意をもって穏やかに映し返します。言葉でのやり取りが難しい人とも、非言語的なリズムを共有しやすくなります。

カリブレーションでは、呼吸の速さ、動作のテンポ、身ぶり、筋緊張、声の高さや強さ、表情などを観察し、その人が今どのような感情状態にあるかを捉えて、自分の話し方や動きを調整します。相手と同じ波長に近づき、安心して感情を表せるようにすることが目的です。

センタリングは、支援者自身が呼吸を整え、先入観や焦りをいったん脇に置いて、相手に集中できる状態をつくる準備です。リフレージングは、本人が使った大切な言葉を保ちながら言い返し、気持ちや意味を確かめる技法です。レミニシングは、過去の体験や記憶を想起することに関係します。

ひっかけポイント
ミラーリングとカリブレーションは重なる部分があります。本問では、「動きや感情に合わせる」という広い表現のため、4と5のどちらも正答になります。

介護実践でのポイント
相手の動きをそのまま大げさにまねると、からかわれたと感じる可能性があります。相手を一人の大人として尊重し、表情や反応を確かめながら、自然で控えめな同調を行います。

選択肢の確認

1.センタリング(centering)
誤り。
センタリングは、支援者が自分の呼吸や感情を整え、先入観を減らして相手に集中するための準備です。相手の動きや感情そのものに合わせる技法を直接示す選択肢ではありません。

2.リフレージング(rephrasing)
誤り。
リフレージングは、本人の言葉を大切にしながら言い換えたり、同じ重要語を用いて確認したりする技法です。主に言語的な内容を受け止める方法です。

3.レミニシング(reminiscing)
誤り。
レミニシングは、昔の出来事や人物、役割などを思い出し、過去の体験を語ることに関係する技法です。動作や感情への同調を直接示す用語ではありません。

4.ミラーリング(mirroring)
正しい。正答として扱われます。
相手の姿勢、表情、反復する動き、声や音などを敬意をもって映し返し、非言語的に相手の世界へ近づく技法です。「動きに合わせる」という表現に該当します。

5.カリブレーション(calibration)
正しい。正答として扱われます。
相手の呼吸、動作、身ぶり、緊張、声、表情、感情の強さなどを観察し、自分の応答を調整して同調する技法です。「動きや感情に合わせる」という表現に該当します。

覚えるポイント

バリデーションは、本人の感情と欲求を否定せず、共感的に受け止める方法です。

ミラーリングは、動きや表情などを鏡のように穏やかに映し返します。

カリブレーションは、呼吸、動作、声、表情、感情の状態を観察して応答を合わせます。

センタリングは支援者自身を整える準備、リフレージングは言葉を受け返す技法です。

本問では、4又は5のどちらか一方が選ばれていれば正答です。

関連問題

36Q4536Q47
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)