37Q41|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
認知症(dementia)の高齢者にみられる、せん妄に関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.関与する因子を特定することが重要である。
この問題のポイント
せん妄の特徴と、認知症そのものの進行を見分ける問題です。
せん妄は、注意や意識、認知機能が急に変化し、1日の中でも症状が揺れ動く状態です。感染症、脱水、薬剤、痛み、便秘、尿閉、低酸素、睡眠不足、入院などの環境変化が関与することがあるため、原因となり得る因子を早く見つけることが重要です。
解説
せん妄では、注意を保つことが難しくなり、見当識障害、記憶の混乱、幻覚、興奮、落ち着きのなさ、昼夜逆転などがみられます。症状は急に始まり、時間帯によって強くなったり弱くなったりすることが特徴です。夕方から夜間に悪化することも少なくありません。
せん妄には、興奮して動き回る過活動型だけでなく、ぼんやりして反応が乏しくなる低活動型や、両方が混在する型があります。ただし、せん妄を単に「覚醒レベルが重度に低下した状態」と定義することはできません。
認知症のある人に急な混乱が起きた場合に、「認知症が進んだ」と決めつけてはいけません。発熱、呼吸状態、摂取量、排泄、痛み、服薬変更、睡眠、環境の変化などを確認し、医療職へ速やかに報告します。原因への対応によって改善する可能性があるため、関与因子の特定が重要です。
ひっかけポイント
認知症は一般に慢性的に進行しますが、せん妄は急に始まり、症状が変動します。「急な変化」「注意障害」「日内変動」がせん妄を見分ける手がかりです。
介護実践でのポイント
いつもと違う言動が急にみられたときは、安全を確保し、発症時刻、症状の変化、発熱、食事・水分、排泄、睡眠、服薬などを観察して医療職へ報告します。本人を強く訂正したり、むやみに行動を制限したりせず、刺激を減らして安心できる環境を整えます。
選択肢の確認
1.覚醒レベルが重度に低下した状態である。
誤り。
せん妄では意識や注意の障害がみられますが、必ず覚醒レベルが重度に低下するわけではありません。興奮する過活動型、反応が乏しい低活動型、両者が混在する型があります。
2.症状の変動が少ないことが特徴である。
誤り。
せん妄は、1日の中で症状が強くなったり弱くなったりする日内変動が特徴です。時間帯によって会話が成立したり、急に混乱したりすることがあります。
3.夜間よりも日中に生じやすいことが特徴である。
誤り。
せん妄は夕方から夜間に悪化することがあり、睡眠・覚醒リズムの乱れもよくみられます。日中に限って生じやすい状態ではありません。
4.認知機能障害がみられることはまれである。
誤り。
見当識障害、記憶の混乱、理解力の低下、幻覚などの認知機能の変化は、せん妄でよくみられます。特に注意障害は重要な特徴です。
5.関与する因子を特定することが重要である。
正答。最も適切です。
感染症、脱水、薬剤、痛み、便秘、尿閉、低酸素、睡眠不足、環境変化など、せん妄にはさまざまな因子が関与します。原因を見つけて対応することで改善する可能性があるため、早期の観察と報告が重要です。
覚えるポイント
せん妄は、急に始まり、症状が変動する注意・意識・認知機能の障害です。
夕方から夜間に悪化することがあり、昼夜逆転もみられます。
過活動型、低活動型、混合型があり、興奮だけがせん妄ではありません。
認知症の人の急な変化を、認知症の進行だけで説明しないことが大切です。
感染、脱水、薬剤、痛み、排泄障害、低酸素、環境変化などの関与因子を確認します。