37Q46第37回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ認知症の理解

次の記述のうち、回想法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.昔の写真や音楽を活用して、記憶を活性化する。

この問題のポイント

認知症の人への非薬物的な支援方法について、それぞれの目的と方法を見分ける問題です。

回想法は、昔の写真、音楽、道具、季節の行事などを手がかりに、本人が過去の経験や思い出を語ることを支える方法です。

解説

回想法では、本人にとってなじみのある写真、歌、生活用品、新聞、食べ物、地域の風景などを用いて、過去の経験を思い出し、語ってもらいます。比較的保たれやすい長期記憶を活用し、自尊感情、安心感、他者との交流を支えることが目的です。

回想法は、正しい記憶を答えさせる試験ではありません。話の内容を細かく訂正したり、思い出せないことを責めたりせず、本人が感じていることや大切にしてきた生活史を受け止めます。

思い出には、楽しいものだけでなく、喪失やつらい経験も含まれます。本人が話したくない様子を示した場合は無理に続けず、表情や気持ちの変化を確認します。個別に行う方法と、少人数のグループで行う方法があります。

選択肢1は触れることを用いたタッチケア、選択肢2は本人が体験している世界や感情を受け止めるバリデーション、選択肢3は時間・場所・人物などの見当識を支えるリアリティ・オリエンテーションに関する説明です。

ひっかけポイント
回想法は「昔の記憶」、リアリティ・オリエンテーションは「今の時間・場所」、バリデーションは「本人の感情と体験世界の受容」と整理します。

介護実践でのポイント
本人の生活史や好みを確認し、なじみのある題材を選びます。記憶の正確さを競わせず、本人が安心して語れるように傾聴し、話したくない内容には踏み込みません。

選択肢の確認

1.肩や背中から優しくゆっくりと触れる。
誤り。
これは、触れることによって安心感や信頼関係を支えるタッチケアに関する方法です。過去の記憶を引き出す回想法の説明ではありません。

2.共感を通して、認知症(dementia)の人が体験している現実を受け入れる。
誤り。
本人の感情や体験している世界を否定せずに受け止める方法は、バリデーションの考え方に当たります。

3.見当識を高めるために、時間や場所、現在の状況を説明する。
誤り。
これはリアリティ・オリエンテーションの説明です。時計、カレンダー、会話などを通して、現在の時間や場所などの見当識を支えます。

4.昔の写真や音楽を活用して、記憶を活性化する。
正答。最も適切です。
昔の写真、音楽、道具などを手がかりに過去の経験を思い出し、語ることを支えるのが回想法です。

5.残存能力を活用し、共同作業を通して仲間をつくる。
誤り。
残存能力を生かした共同作業や交流は重要ですが、これだけでは回想法の中心的な方法を示していません。回想法は、過去の記憶や生活史を語ることを支えます。

覚えるポイント

回想法は、昔の写真、音楽、道具などを用いて過去の記憶を引き出します。

目的は、記憶の正誤を試すことではなく、安心、自尊感情、交流を支えることです。

本人の生活史と好みに合う題材を選びます。

つらい記憶がよみがえる可能性にも配慮し、無理に語らせません。

回想法、バリデーション、リアリティ・オリエンテーション、タッチケアを区別します。

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