38Q73第38回 社会福祉士国家試験 過去問

新カリキュラム(第37・38回)共通科目ソーシャルワークの理論と方法

事例を読んで、次の記述のうち、特別養護老人ホームのB生活相談員(社会福祉士)が行う支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。 〔事 例〕 Aさん(80歳、女性、要介護4)は、半年前に特別養護老人ホームに入居した。脳梗塞の後遺症により左半身に麻痺があり、アルツハイマー型認知症と診断されている。1年前に長男を亡くし、麻痺で身体が思うように動かず、長男の看病を十分にできなかったことを今でも悔やんでは涙ぐんでいる。Aさんは若い頃は生け花の師範として活動しており、居室には作品の写真が飾ってある。ある日、AさんはBに「施設の入口にお花を飾ったら華やかになるわよ。私も昔は、三ツ星ホテルのロビーに花を生けていたのよ」と話した。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

Aさんの生け花の経験は、単なる昔話ではなく、専門性、役割、誇り、他者への貢献という強みです。認知症や麻痺だけに注目せず、本人の生活史と語りを尊重して可能性を広げます。

解説

ホテルで花を生けていた経験を尋ねる4は、Aさんの人生の意味や強みを引き出し、回想を通じて本人理解を深める応答です。その後、Aさんがどのように花に関わりたいか、身体機能に合わせた役割や環境調整を本人と検討できます。長男への悲嘆も遮らず受け止めます。本人に代わって職員だけで行う、別活動へ誘導する、負担を先に強調する対応は自己決定を狭めます。

選択肢の確認

1.「それでは、職員で花を飾るようにしましょう」と答える。
誤り。Aさんの提案を採用しても本人の参加機会を奪っており、強みや役割を生かす支援になっていません。

2.長男の話を始めたときには、悲しみに暮れないように意図的に別の話題に変える。
誤り。悲嘆の語りを避けず、Aさんのペースで受け止めることが必要です。

3.施設内の別の余暇活動に誘い、楽しみを見つけられるよう励ます。
誤り。既に示された生け花への関心と専門性を評価せず、支援者が別の活動へ誘導しています。

4.Aさんに「ホテルで花を生けていた時のことを聞かせてください」と問いかける。
正答。本人の生活史、誇り、技術、意味を聴き、今後の参加と役割を共に考える入口になります。

5.「入口をいつも生け花で飾るのは手間や時間がかかるので、どうしましょう」と尋ねる。
誤り。希望やできる方法を十分に聴く前から負担を強調し、Aさんの提案を制限する応答です。

覚えるポイント

ストレングスは本人の経験・関心・役割にあります。「できないこと」より語りの意味を聴き、本人が参加できる環境を一緒に整えます。

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