37AM71第37回 臨床工学技士国家試験 過去問

体外循環・補助循環人工心肺ローラ/遠心ポンプ・心筋保護・臓器循環・人工肺

人工心肺を用いた体外循環中の血液希釈法について正しいのはどれか。 a.末梢血管抵抗を低下させる。 b.代謝性アルカローシスを軽減する。 c.ヘマトクリット値 30%を希釈下限の目安とする。 d.組織浮腫の原因となる。 e.溶血を軽減する。

解答・解説を見る

正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、人工心肺を用いた体外循環中に行われる血液希釈法の目的と影響が問われています。

血液希釈では、ヘマトクリットが低下し、血液粘度が下がります。その結果、末梢循環が改善しやすくなり、血液損傷を軽減できる一方で、過度な希釈では組織浮腫や酸素運搬能低下に注意が必要です。

正しい小項目は、a、d、eです。

  • a.末梢血管抵抗を低下させる。
  • d.組織浮腫の原因となる。
  • e.溶血を軽減する。

解説

人工心肺回路には、回路を満たすための充填液が必要です。体外循環を開始すると、この充填液によって患者血液が希釈されます。

血液希釈により、血液粘度は低下します。粘度が下がると血液が流れやすくなり、末梢血管抵抗が低下し、微小循環の改善が期待されます。

また、粘度が高い血液では、ポンプや回路内でせん断応力を受けやすく、血球損傷が増えやすくなります。血液希釈により粘度が下がることで、溶血の軽減につながります。

一方、血液希釈では血漿タンパク濃度も低下し、膠質浸透圧が下がります。そのため、血管内に水分を保持しにくくなり、組織浮腫の原因になります。

ヘマトクリット値30%は、体外循環中の希釈下限としては高めです。実際の管理では患者背景や体温、酸素消費量などを考慮しますが、30%を希釈下限の目安とする記述は不適切です。

臨床工学技士としての注意点
体外循環中の血液希釈では、流れやすさだけでなく、酸素運搬能、膠質浸透圧、尿量、乳酸値、混合静脈血酸素飽和度、血液ガスを総合的に確認します。

選択肢の確認

1.誤り。
選択肢1はa、b、cの組合せです。aは正しいですが、bとcが不適切です。血液希釈法は代謝性アルカローシスを軽減する目的で行うものではなく、ヘマトクリット値30%を希釈下限の目安とする記述も不適切です。

2.誤り。
選択肢2はa、b、eの組合せです。aとeは正しいですが、bが不適切です。血液希釈によって代謝性アルカローシスを軽減するとはいえません。

3.正しい。
選択肢3はa、d、eの組合せです。血液希釈は末梢血管抵抗を低下させ、溶血を軽減する一方で、膠質浸透圧低下により組織浮腫の原因となります。

4.誤り。
選択肢4はb、c、dの組合せです。dは正しいですが、bとcが不適切です。血液希釈法の代表的影響としては、末梢血管抵抗低下、溶血軽減、組織浮腫などを押さえます。

5.誤り。
選択肢5はc、d、eの組合せです。dとeは正しいですが、cが不適切です。ヘマトクリット値30%を希釈下限の目安とする記述は適切ではありません。

覚えるポイント

  • 血液希釈では血液粘度が低下します。
  • 血液粘度低下により、末梢血管抵抗が低下します。
  • 血液希釈は、せん断応力を減らし溶血を軽減します。
  • 膠質浸透圧低下により、組織浮腫の原因になります。
  • 希釈しすぎると酸素運搬能が低下するため、ヘマトクリット、SvO₂、乳酸値を確認します。

関連問題

37AM7037AM72
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)