37AM74|第37回 臨床工学技士国家試験 過去問
IABP で正しいのはどれか。 a.冠血流量は増加する。 b.収縮期血圧は低下する。 c.脳血流量は減少する。 d.バルーン拡張には酸素を用いる。 e.大動脈解離に使用できる。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、補助循環装置であるIABP、大動脈内バルーンパンピングの作用が問われています。
IABPの基本は次の2つです。
- 拡張期にバルーンを拡張して、冠血流を増加させる。
- 収縮直前にバルーンを収縮して、左室後負荷を下げる。
正しい小項目は、aとbです。
解説
IABPは、下行大動脈内にバルーンカテーテルを留置し、心周期に同期してバルーンを拡張・収縮させる補助循環法です。
バルーンは、心臓の拡張期に拡張します。これにより大動脈拡張期圧が上昇し、冠動脈への灌流圧が高まります。そのため、冠血流量が増加します。
一方、心臓が収縮する直前にバルーンを急速に収縮させます。大動脈内圧が下がり、左室が血液を駆出しやすくなります。これを左室後負荷の軽減といいます。その結果、収縮期血圧は低下し、心筋酸素消費量の軽減につながります。
バルーンの駆動ガスには、拡散性が高く軽いヘリウムが用いられます。酸素は支燃性があるため、バルーン駆動ガスとしては用いません。
大動脈解離では、大動脈壁が裂けているため、IABP挿入により解離の進展や破裂を助長する危険があります。原則として禁忌です。
臨床工学技士としての注意点
IABPでは、心電図または動脈圧波形との同期、拡張・収縮タイミング、ヘリウム漏れ、バルーン位置、下肢虚血、出血、血栓、感染を確認します。タイミング不良は補助効果を低下させ、循環を悪化させることがあります。
選択肢の確認
1.正しい。
選択肢1はa、bの組合せです。IABPでは拡張期バルーン拡張により冠血流量が増加し、収縮直前のバルーン収縮により収縮期血圧が低下します。
2.誤り。
選択肢2はa、eの組合せです。aは正しいですが、eが不適切です。大動脈解離はIABPの禁忌として重要です。
3.誤り。
選択肢3はb、cの組合せです。bは正しいですが、cが不適切です。IABPは冠血流を増やす補助循環であり、脳血流量を減少させることを目的とする装置ではありません。
4.誤り。
選択肢4はc、dの組合せです。cもdも不適切です。バルーン拡張には酸素ではなくヘリウムを用います。
5.誤り。
選択肢5はd、eの組合せです。どちらも不適切です。IABPの駆動ガスはヘリウムであり、大動脈解離には使用できません。
覚えるポイント
- IABPは拡張期に拡張、収縮直前に収縮します。
- 拡張期圧を上げて冠血流量を増加させます。
- 収縮直前に大動脈圧を下げて左室後負荷を軽減します。
- バルーン駆動ガスはヘリウムです。
- 大動脈解離はIABPの禁忌です。