37PM52|第37回 臨床工学技士国家試験 過去問
図の回路について正しいのはどれか。 ただし、A は理想演算増幅器とする。

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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、コンデンサを入力側に入れた反転増幅回路の周波数特性が問われています。
図の回路は、入力側に C と Ri の直列回路、帰還側に Rf をもつ理想演算増幅器回路です。
この回路は、遮断周波数より十分低い帯域では微分回路として動作し、十分高い帯域では反転増幅回路として動作します。
図で見るポイント
入力信号は、まずコンデンサ C を通ってから抵抗 Ri を介して反転入力端子に入ります。非反転入力端子は接地され、出力から Rf で反転入力端子へ負帰還がかかっています。
解説
理想演算増幅器で負帰還がかかっているため、非反転入力端子と反転入力端子の電位はほぼ等しくなります。
非反転入力端子は接地されているので、反転入力端子は仮想接地として扱えます。
この回路の入力インピーダンスは、コンデンサ C と抵抗 Ri の直列なので、
- Zi = Ri + 1/(sC)
です。
反転増幅回路の伝達関数は、
- Vo/Vi = -Rf / Zi
なので、
- Vo/Vi = -Rf / (Ri + 1/(sC))
となります。
これを整理すると、
- Vo/Vi = -sCRf / (1 + sCRi)
です。
低周波側での動作
遮断周波数より十分低い帯域では、コンデンサのリアクタンスが大きくなります。
このとき、
- sCRi が十分小さい
- 1 + sCRi ≒ 1
と考えられるため、
- Vo/Vi ≒ -sCRf
となります。
s は微分に対応するため、この回路は微分特性を示します。
つまり、低周波側では入力信号の変化に応じた出力が得られます。
高周波側での動作
遮断周波数より十分高い帯域では、コンデンサのリアクタンスが小さくなり、コンデンサは交流的にほぼ短絡として働きます。
このとき、入力側はほぼ Ri だけになるため、
- Vo/Vi ≒ -Rf/Ri
となります。
したがって、高周波側では積分特性ではなく、一定利得の反転増幅回路として動作します。
ひっかけポイント
コンデンサがある回路でも、どこに入っているかで動作が変わります。入力側にコンデンサがあるこの回路は、低周波側で微分特性を示します。帰還側にコンデンサがある回路は積分回路として問われやすいので混同しないようにします。
選択肢の確認
1.正しい。
遮断周波数より十分低い帯域では、Vo/Vi ≒ -sCRf となり、微分特性を示します。この回路の低周波側の特徴として適切です。
2.誤り。
遮断周波数より十分高い帯域では、コンデンサは交流的にほぼ短絡となり、Vo/Vi ≒ -Rf/Ri の反転増幅回路として動作します。積分特性ではありません。
3.誤り。
理想演算増幅器の入力端子そのものには電流が流れませんが、信号源から見た回路の入力インピーダンスは、C と Ri の直列インピーダンスです。無限大ではありません。
4.誤り。
理想演算増幅器の出力インピーダンスは0として扱います。無限大ではありません。
5.誤り。
入力側にコンデンサが直列に入っているため、直流成分は遮断されます。したがって、直流の入力信号を増幅する回路ではありません。
覚えるポイント
- 図の回路は、入力側にコンデンサをもつ反転型の能動ハイパス回路です。
- 遮断周波数より十分低い帯域では微分特性を示します。
- 遮断周波数より十分高い帯域では、利得 -Rf/Ri の反転増幅回路として動作します。
- 直流はコンデンサで遮断されるため、直流入力は増幅できません。
- 理想演算増幅器では、入力電流は0、出力インピーダンスは0として扱います。