39PM78|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
血液透析で正しいのはどれか。 a.血圧低下に対して除水速度を下げた。 b.血圧低下に対して透析液温度を上げた。 c.尿素の Kt/V 低値が持続するため血液濾過に変更した。 d.治療前血清リン濃度高値が改善しないので血流量を下げた。 e.治療前血清カリウム濃度高値が改善しないので透析時間を延長した。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、血液透析中の血圧低下への対応と、尿素・リン・カリウムの除去条件を理解しているかが問われています。
血液透析では、除水、血流量、透析液流量、透析時間、透析液温度、膜性能が患者状態に大きく影響します。
解説
小項目を確認します。
a.血圧低下に対して除水速度を下げた。
正しいです。透析中の血圧低下は、急速な除水による循環血液量低下が原因になることがあります。除水速度を下げることは適切な対応です。b.血圧低下に対して透析液温度を上げた。
誤りです。透析液温度を上げると末梢血管拡張により血圧低下を助長することがあります。血圧低下対策としては、透析液温度を下げる低温透析が検討されます。c.尿素の Kt/V 低値が持続するため血液濾過に変更した。
誤りです。尿素は小分子量物質で、拡散を主体とする血液透析で効率よく除去されます。Kt/V低値が持続する場合は、透析時間、血流量、透析液流量、膜面積、再循環などを見直します。d.治療前血清リン濃度高値が改善しないので血流量を下げた。
誤りです。血流量を下げると溶質除去効率は低下しやすくなります。リン高値に対しては、食事管理、リン吸着薬、透析量や透析時間の見直しを考えます。e.治療前血清カリウム濃度高値が改善しないので透析時間を延長した。
正しいです。透析時間を延長するとカリウム除去量を増やす方向に働きます。食事、薬剤、透析条件、透析液カリウム濃度も確認します。
したがって、正しい小項目は a、e であり、選択肢2が正答です。
ひっかけポイント
血圧低下時に透析液温度を「上げる」のではなく、通常は下げる方向を考えます。また、除去不足があるときに血流量を下げると、基本的には除去効率が悪化します。
臨床工学技士としての注意点
血液透析では、血圧、除水速度、血流量、透析液温度、静脈圧、TMP、透析液濃度、患者症状を総合的に確認します。血圧低下時には、除水停止・除水速度低下、補液、下肢挙上、透析条件変更などを状況に応じて行います。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b の組合せです。aは正しいですが、bが誤りです。血圧低下に対して透析液温度を上げるのは不適切です。
2.正しい。
選択肢2は a、e の組合せです。血圧低下に対して除水速度を下げること、血清カリウム高値が改善しない場合に透析時間を延長することはいずれも適切です。
3.誤り。
選択肢3は b、c の組合せです。透析液温度を上げる対応も、尿素Kt/V低値に対して血液濾過へ変更する対応も不適切です。
4.誤り。
選択肢4は c、d の組合せです。尿素除去不足やリン高値に対しては、血流量や透析時間など除去効率を高める方向で検討します。血流量を下げるのは不適切です。
5.誤り。
選択肢5は d、e の組合せです。eは正しいですが、dが誤りです。リン高値が改善しない場合に血流量を下げると、除去効率が低下します。
覚えるポイント
- 透析中の血圧低下では、除水速度を下げることが重要です。
- 透析液温度を上げると血圧低下を助長することがあります。
- 尿素は小分子であり、血液透析の拡散でよく除去されます。
- リン高値では、食事、リン吸着薬、透析量、透析時間を見直します。
- カリウム高値が改善しない場合、透析時間延長は有効な対応の一つです。