114B050|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科放射線学

23歳の男性。上顎の腫脹を主訴として来院した。6年前に気付き、徐々に増大してきたという。腫脹は骨様硬である。初診時の口腔内写真(別冊No. 14A)、エックス線画像(別冊No. 14B)、CT(別冊No. 14C)及び生検時のH-E染色病理組織像(別冊No. 14D)を別に示す。 適切な対応はどれか。1つ選べ。

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正解: c

正答

c

この問題のポイント

若年者の緩徐な無痛性顎骨膨隆、すりガラス様エックス線像、線維性組織中の不規則な幼若骨は線維性骨異形成症を示します。形態・機能障害に対して保存的な骨削除を選択します。

解説

線維性骨異形成症では、正常骨が線維性結合組織と未熟な骨梁に置換されます。顎顔面骨では無痛性に緩徐に増大し、境界が周囲骨へ移行するすりガラス様像や骨膨隆を示します。病理では、線維性間質内に骨芽細胞の明瞭な縁取りを欠く不規則な幼若骨梁がみられます。

病変が安定し症状がなければ経過観察できますが、顔貌の非対称、咬合・義歯装着・鼻腔や上顎洞などへの機能的影響があれば、輪郭を整える保存的骨削除を行います。びまん性病変に対する過大な切除や、二次悪性化リスクを高め得る放射線療法は避けます。

画像の確認

実画像では、上顎歯槽部から口蓋側にかけて片側性の骨性膨隆があり、パノラマエックス線画像とCTでは上顎洞周囲へ連続する境界不明瞭な骨硬化・膨隆を認めます。病理組織像では線維性間質内に湾曲した不規則な骨梁が散在しており、線維性骨異形成症に合致します。

選択肢の確認

a.切開排膿
誤り。膿瘍などの感染性病変ではなく、骨形成性の病変です。

b.開窓
誤り。囊胞性病変の減圧に用いる処置で、充実性の線維性骨異形成症には適しません。

c.骨削除
正しい。膨隆による形態・機能障害に対し、病変骨の輪郭を保存的に整えます。

d.上顎全摘術
誤り。良性で緩徐な病変に対して侵襲が過大です。

e.放射線療法
誤り。治療効果が期待できず、照射後の悪性化リスクもあるため禁忌です。

覚えるポイント

  • 線維性骨異形成症は、すりガラス様像と不規則な幼若骨梁が特徴です。
  • 無症状なら観察、形態・機能障害があれば保存的骨削除を考えます。
  • 放射線療法は行いません。

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