116B082|第116回 歯科医師国家試験 過去問
56 歳の女性。咀嚼困難を主訴として来院した。上顎左側と下顎右側欠損部にイ ンプラント義歯による治療を行うこととした。上顎左側に製作した上部構造と模型 の写真(別冊No. 34A)、下顎右側に製作した上部構造と模型の写真(別冊No. 34 B)を別に示す。 Aに比べてBの構造が有利なのはどれか。2 つ選べ。

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正解: d・e
正答
d、e
この問題のポイント
インプラント上部構造では、上部構造をインプラント体へ直接連結するか、中間アバットメントを介して連結するかで維持管理上の特徴が変わります。
解説
Bでは、インプラント体と上部構造の間に中間アバットメントが介在しています。連結部が粘膜より高い位置になるため、上部構造の着脱時に深部粘膜へ接触しにくく、粘膜刺激を軽減できます。また、繰り返す着脱やスクリュー操作を中間アバットメント側で受けるため、インプラント体内部の接合部を損傷から守り、インプラント体を保護できます。
画像の確認
実画像では、Aの上部構造底面には円錐状の連結部が突出し、模型側ではインプラント開口部が粘膜面とほぼ同じ高さにある。一方Bでは模型上に歯冠側へ立ち上がる中間部品が装着され、上部構造側のスクリューアクセスもその形態に対応しているため、反復着脱時の粘膜への擦過を減らし、インプラント体側の接合部を保護できる構造と判断できる。
選択肢の確認
a.審美性
誤り。
中間アバットメントを介すること自体が審美性を高めるとは限らず、金属部やスクリューアクセスの位置によっては不利になることもあります。
b.被圧変位性
誤り。
被圧変位性は主として粘膜や歯根膜の性質に関する概念で、Bの連結構造の直接的な利点ではありません。
c.咬合接触状態
誤り。
適切な設計・調整を行えば、咬合接触状態はA、Bのいずれでも付与でき、Bに固有の利点ではありません。
d.着脱時の粘膜刺激
正しい。
中間アバットメントにより連結部が歯冠側へ移るため、上部構造着脱時の粘膜への擦過・圧迫を少なくできます。
e.インプラント体の保護
正しい。
反復着脱による摩耗やスクリュー操作を中間アバットメント側で受け、インプラント体内部の接合部を保護できます。
覚えるポイント
- 中間アバットメントは上部構造の接合部を歯冠側へ移す。
- 着脱時の粘膜刺激を減らせる。
- インプラント体の内部接合部を保護しやすい。