116D082|第116回 歯科医師国家試験 過去問
70 歳の男性。上顎義歯の不安定による咀嚼困難を主訴として来院した。義歯は 15 年前に装着したが、1 か月前に義歯床に設置された装置が脱落したという。診 察の結果、この装置を再び義歯床に設置する修理を行うこととした。初診時の義歯 床粘膜面の写真(別冊No. 32A)、支台歯上に装置を適合させた口腔内写真(別冊 No. 32B)及び修理後の義歯床粘膜面の写真(別冊No. 32C)を別に示す。 この修理について正しいのはどれか。3 つ選べ。

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正解: a・b・d
正答
a、b、d
この問題のポイント
義歯床から脱落したスタッド型アタッチメントを口腔内で再固定する直接修理では、レジンの逃げ道と軟組織保護が重要です。
解説
支台歯上へアタッチメントを正しく装着し、義歯床内面を十分に削合してスペースと遁路を設けます。常温重合レジンで口腔内ピックアップを行い、余剰レジンによる辺縁歯肉の圧迫を防ぐためリリーフします。
アタッチメント自体へ新たなアンダーカットを付与すると着脱障害や破損の原因になります。提示された修理は印象後の間接法ではなく、口腔内で位置関係を保って行う直接法です。
画像の確認
実画像では、義歯床粘膜面に脱落装置用の大きな空洞があり、口腔内では支台歯上にスタッド型装置と灰色の歯肉保護部品が装着されている。修理後Cでマトリックスが床内へ直接取り込まれているため、床に余剰レジン・空気の遁路を設け、辺縁歯肉上をリリーフした上で常温重合レジンを用いる直接修理と分かる。
選択肢の確認
a.義歯床に遁路を付与する。
正しい。義歯床に遁路を付与し、余剰レジンや空気が逃げるようにして確実な固定を図ります。
b.常温重合レジンを用いる。
正しい。口腔内での修理には常温重合レジンを用います。
c.印象採得後に口腔外で行う。
誤り。提示された方法は装置を支台歯に装着した状態で口腔内ピックアップする直接法です。
d.辺縁歯肉上をリリーフする。
正しい。辺縁歯肉部をリリーフし、レジンや義歯床による軟組織圧迫を防ぎます。
e.装置にアンダーカットを付与する。
誤り。装置にアンダーカットを付与すると義歯の着脱を妨げ、装置を損傷するおそれがあります。
覚えるポイント
- 直接修理では装置を口腔内で正しい位置に保持します。
- 常温重合レジンと遁路を用います。
- 歯肉部をリリーフしてレジンの迷入・圧迫を防ぎます。