117B028|第117回 歯科医師国家試験 過去問
81 歳の女性。オトガイ部の腫脹を主訴として来院した。5 年前から乳癌の治療 を受けており、ある薬剤が長期投与されているという。初診時のエックス線画像 (別冊No. 7A)、CT(別冊No. 7B)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 7C) を別に示す。 病変の誘因と考えられるのはどれか。2 つ選べ。

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正解: a・e
正答
a、e
この問題のポイント
骨吸収抑制薬を使用している患者の顎骨病変では、**薬剤関連顎骨壊死〈MRONJ〉**を考えます。
解説
MRONJは、ビスホスホネート製剤や抗RANKL抗体などの骨吸収抑制薬に関連して生じます。デノスマブはRANKLを阻害して破骨細胞の形成と機能を抑制します。アレンドロン酸ナトリウム水和物はビスホスホネート製剤で、骨に蓄積して破骨細胞を抑制します。
抜歯などの局所侵襲、義歯性潰瘍、歯周炎、根尖性病変などが発症契機となることがあります。抗悪性腫瘍薬の使用歴だけでなく、薬剤名、投与経路、投与期間、基礎疾患を確認します。
全身管理上の注意点
骨吸収抑制薬を自己判断で休薬させず、原疾患の主治医と連携して歯科治療計画を立てます。
画像の確認
実画像では、下顎前歯部に不整な骨硬化・骨破壊と骨皮質の断裂が混在し、病理像には核の消失した骨小腔を含む壊死骨と周囲炎症が見える。骨吸収抑制薬関連顎骨壊死に合う所見であり、誘因薬としてデノスマブとアレンドロン酸を選ぶ正答a・eにつながる。
選択肢の確認
a.デノスマブ
正しい。
デノスマブはRANKL阻害薬で、骨吸収抑制作用を持ち、MRONJの関連薬です。
b.シスプラチン
誤り。
シスプラチンは白金製剤の抗悪性腫瘍薬であり、MRONJの代表的誘因薬ではありません。
c.パクリタキセル
誤り。
パクリタキセルは微小管に作用する抗悪性腫瘍薬で、骨吸収抑制薬ではありません。
d.フルオロウラシル
誤り。
フルオロウラシルは核酸代謝を阻害する抗悪性腫瘍薬で、MRONJの代表的誘因薬ではありません。
e.アレンドロン酸ナトリウム水和物
正しい。
アレンドロン酸ナトリウム水和物はビスホスホネート製剤で、MRONJと関連します。
覚えるポイント
- MRONJはビスホスホネートとデノスマブに注意する。
- 薬剤名、投与期間、投与経路を確認する。
- 休薬は歯科医師だけで決めず、主治医と連携する。