117B056第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

65 歳の女性。上顎顎義歯の脱落と鼻腔への飲み物の漏れを主訴として来院した。 使用中の顎義歯は6 か月前に製作したが、装着当初から自覚していたという。栓塞 部は充実型である。初診時の口腔内写真(別冊No. 18A)、研究用模型の写真(別冊 No. 18B)及び顎義歯の写真(別冊No. 18C)を別に示す。 この義歯への適切な対応はどれか。3 つ選べ。

117B056の問題画像
3つ選択
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正解: a・b・e

正答

a、b、e

この問題のポイント

上顎顎義歯では、軽量化、維持力の確保、顎欠損部の封鎖が重要です。

解説

充実型の栓塞部は重くなりやすく、義歯の脱落を助長します。栓塞部を天蓋開放型にすると中空化でき、軽量化によって維持安定が改善します。残存歯へクラスプを追加すると機械的維持を増やせます。

顎欠損部周囲へ軟質リライン材を適用すると、不整な組織面への適合と封鎖性を改善し、鼻腔への飲食物漏出を減らせます。欠損側に強い咬合接触を付与すると、義歯の回転・離脱を増やすため避けます。

治療選択のポイント
顎義歯は「重さ」「封鎖」「回転中心」「残存歯への負担」を評価します。

画像の確認

実画像では、上顎右側に鼻腔へ通じる大きな顎欠損があり、義歯の栓塞部は厚い充実型で、維持装置は少数の残存歯に限られている。7へのクラスプ追加、栓塞部の天蓋開放による軽量化、周囲への軟質リライン材による封鎖改善が形態上の問題に対応し、正答a・b・eを支持する。

選択肢の確認

a.7 にクラスプを追加する。
正しい。
残存する7にクラスプを追加し、義歯の維持力を高めます。

b.栓塞部を天蓋開放型とする。
正しい。
栓塞部を天蓋開放型として中空化し、顎義歯を軽量化します。

c.義歯床の口蓋部分を削除する。
誤り。
口蓋部分を削除すると支持・封鎖・剛性が低下し、飲食物の漏出や不安定が悪化する可能性があります。

d.顎欠損側では対合歯との咬合接触を強くする。
誤り。
顎欠損側に強い咬合接触を与えると、義歯を欠損側へ回転・離脱させる力が増加します。

e.栓塞部周囲に直接法で軟質リライン材を適用する。
正しい。
栓塞部周囲に軟質リライン材を適用し、組織面への適合と辺縁封鎖を改善します。

覚えるポイント

  • 顎義歯は中空化して軽量化する。
  • 残存歯の支台装置で維持を高める。
  • 欠損側の強い咬合接触は義歯を不安定にする。

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