117C033|第117回 歯科医師国家試験 過去問
基礎歯科医学生理・生化学・薬理
高齢者において低血糖を起こしやすい薬物はどれか。1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: c
正答
c
この問題のポイント
高齢者の糖尿病治療では、インスリン分泌を持続的に促す薬剤による低血糖に注意します。
解説
スルホニル尿素薬は膵β細胞のATP感受性K+チャネルを閉鎖し、インスリン分泌を促進します。食事摂取量が少ない場合でも作用が続くことがあり、高齢者では腎機能低下、食欲低下、薬剤の蓄積などにより重症・遷延性低血糖を起こしやすくなります。
歯科治療前には食事摂取と糖尿病薬の服用状況を確認し、冷汗、振戦、動悸、意識変容などを見逃さないことが重要です。
全身管理上の注意点
低血糖が疑われたら歯科処置を中止し、意識があり嚥下可能ならブドウ糖を経口投与します。意識障害時は誤嚥を避け、救急対応を行います。
選択肢の確認
a.ビグアナイド薬
誤り。
ビグアナイド薬は単独では低血糖を起こしにくく、主に肝糖新生を抑制します。
b.プレドニゾロン
誤り。
プレドニゾロンは血糖を上昇させる方向に働き、ステロイド糖尿病の原因となり得ます。
c.スルホニル尿素薬
正しい。
スルホニル尿素薬はインスリン分泌を促進し、高齢者で重症低血糖を起こしやすい薬物です。
d.ニトログリセリン
誤り。
ニトログリセリンは硝酸薬で、狭心症発作の改善に用います。低血糖を起こす薬物ではありません。
e.ワルファリンカリウム
誤り。
ワルファリンカリウムは抗凝固薬で、主な注意点は出血です。
覚えるポイント
- SU薬は膵β細胞からのインスリン分泌を促進する。
- 高齢者では腎機能低下と食事量低下で低血糖リスクが増す。
- 歯科受診時は食事と服薬の確認を行う。