117D086|第117回 歯科医師国家試験 過去問
86 歳の女性。下顎前歯部舌側歯肉からの出血を主訴として来院した。1 か月前 からブラッシング時に出血を生じるようになったという。毎食後に歯ブラシで歯お よび義歯の清掃を行っており、義歯洗浄剤は使用しておらず、夜間は義歯を外して 水に浸漬しているという。なお、下顎前歯部の歯頸部から口底部までの距離は 5 ~6 mm であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 32A)、咬合接触検査後の義歯 の写真(別冊No. 32B)、義歯装着時の口腔内写真(別冊No. 32C)及びプラーク染め 出し後の義歯の写真(別冊No. 32D)を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に示 す。 舌 側* 2 2 3 ③ 3 ③③③③③ 2 ③③②③ 2 2 2 歯 種 3 2 1 1 2 3 唇 側* 2 2 3 3 2 2 2 2 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 動揺度** 0 1 1 1 1 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 使用中の義歯への対応で適切なのはどれか。2 つ選べ。

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正解: a・e
正答
a、e
この問題のポイント
義歯清掃では、義歯専用ブラシによる機械的清掃と義歯洗浄剤による化学的清掃を組み合わせます。
解説
通常の歯ブラシだけでは義歯床粘膜面やクラスプ周囲の凹凸を十分に清掃できないため、義歯用ブラシを用います。夜間は義歯を外し、材質に適した義歯洗浄剤へ浸漬してバイオフィルムを減らします。
歯磨剤には研磨剤が含まれ、レジン床を傷つけてプラークが付着しやすくなるため避けます。下顎前歯部の歯頸部から口底まで5~6 mmではリンガルバーに必要な垂直的スペースが不足するため、形態修正は適しません。
画像の確認
実画像では、下顎部分床義歯のリンガルプレートが前歯舌側に近接し、染色後には義歯歯面と床に多量のプラークが残っている。義歯用ブラシで機械的清掃を行い、夜間は義歯洗浄剤へ浸漬する正答a・eに対応する。
選択肢の確認
a.義歯用ブラシの使用
正しい。義歯用ブラシは義歯床の広い面とクラスプ周囲を効率よく清掃できます。
b.歯磨剤を使用した義歯清掃
誤り。歯磨剤の研磨剤は義歯床用レジンに傷をつけ、表面粗造化とプラーク付着を招きます。
c.大連結子内面の凹凸の削除
誤り。大連結子内面を不用意に削除すると適合や強度を損ないます。まず清掃方法の改善を行います。
d.リンガルバーへの形態修正
誤り。リンガルバーには十分な口底までの距離が必要で、5~6 mmでは設置スペースが不足します。
e.就寝中の義歯洗浄剤への浸漬
正しい。就寝中は義歯を外し、材質に適した義歯洗浄剤へ浸漬して化学的清掃を行います。
覚えるポイント
- 義歯は義歯用ブラシで清掃する。
- 歯磨剤はレジン床を傷つけるため避ける。
- 夜間は義歯を外し、義歯洗浄剤を活用する。