118A084|第118回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科補綴学
76 歳の女性。義歯の維持安定不良を主訴として来院した。診察の結果、全部床 義歯を新製することとした。ある術式の過程の一部の写真(別冊No. 29)を別に示す。 この術式で決定されるのはどれか。2 つ選べ。

2つ選択
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正解: a・d
正答
a、d
この問題のポイント
写真の術式は、頰・口唇・舌の機能運動を利用して義歯のニュートラルゾーンを記録する方法です。舌房と研磨面形態を決めます。
解説
顎堤吸収が強い全部床義歯では、床面積だけでなく周囲筋の力を義歯安定に利用します。舌が外側へ押す力と、頰・口唇が内側へ押す力の均衡する領域へ人工歯と義歯床研磨面を設定します。
機能印象材を咬合床周囲へ盛り、嚥下、発音、舌運動などを行わせることで、舌房の範囲と頰舌側研磨面の形態が形成されます。
画像の確認
実画像では、下顎全部床義歯の人工歯周囲に軟化した青色材料を盛り、口腔機能で成形した後に水槽で硬化させている。ニュートラルゾーンを記録して舌房の範囲と義歯床研磨面形態を決める術式であり、正答a・dに対応する。
選択肢の確認
a.舌房の範囲
正しい。
舌の機能運動を記録し、舌が無理なく動ける空間を決定します。
b.水平的顎間関係
誤り。
水平的顎間関係は中心位記録などの顎間関係記録で決定します。
c.義歯床後縁の位置
誤り。
上顎後縁は振動線や口蓋小窩、ハミュラーノッチなどを基準に決めます。
d.義歯床研磨面の形態
正しい。
頰・口唇・舌の機能圧を記録し、義歯を安定させる研磨面形態を決定します。
e.前歯部人工歯の形態
誤り。
人工歯の形態は顔貌、年齢、性別、残存資料などを参考に選択します。ニュートラルゾーン記録で決める事項ではありません。
覚えるポイント
- ニュートラルゾーンは舌圧と頰・口唇圧が均衡する領域です。
- 舌房と研磨面形態を機能的に決定します。
- 高度顎堤吸収症例で義歯安定に有用です。