118D057第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

78 歳の女性。義歯の製作を希望して来院した。8 か月前に右側上顎腫瘍の切除 術が施行され、現在も口腔外科へ通院中であるという。診察の結果、補綴歯科治療 を行うこととした。初診時の上顎欠損の口腔内写真(別冊No. 22A)と補綴装置製作 過程の写真(別冊No. 22B)を別に示す。 製作する補綴装置で、矢印に示す構造によって改善されるのはどれか。 2 つ選べ。

118D057の問題画像
2つ選択
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正解: a・e

正答

a、e

この問題のポイント

上顎欠損に用いる顎義歯の栓塞部は、口腔と鼻腔・上顎洞の交通を閉鎖します。これにより構音鼻漏出が改善します。

解説

上顎切除後は口腔と鼻腔が交通し、発音時の呼気が鼻へ漏れたり、飲食物が鼻腔へ流入したりします。オブチュレータの栓塞部が欠損腔を閉鎖すると、口腔内圧を保てるようになり、構音が明瞭になります。また、飲食物の鼻漏出を防ぎます。

画像の確認

実画像Aでは右側上顎切除後の大きな口腔・鼻腔交通が開存している。Bの印象では矢印部が欠損腔周囲へ延長され、交通部を閉鎖する栓塞部の形態が記録されている。この構造で口腔と鼻腔が分離されるため、構音と鼻への飲食物漏出が改善する。

選択肢の確認

a.構 音
正しい。
構音には口腔内圧と適切な共鳴腔が必要で、栓塞部による口鼻腔閉鎖で改善します。

b.咬 合
誤り。
咬合は人工歯排列や顎間関係の影響が大きく、栓塞部そのものの主目的ではありません。

c.開口量
誤り。
開口量は瘢痕や筋・顎関節の状態に左右され、栓塞部の主な改善対象ではありません。

d.下顎位
誤り。
下顎位は咬合採得や顎誘導装置で管理し、上顎欠損の栓塞部で直接改善するものではありません。

e.鼻漏出
正しい。
口腔と鼻腔の交通を閉鎖することで、飲食物の鼻漏出が改善します。

覚えるポイント

  • オブチュレータは口鼻腔交通を閉鎖します。
  • 改善するのは構音と鼻漏出です。
  • 軽量化、維持、清掃性も顎義歯設計で重要です。

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