118D069|第118回 歯科医師国家試験 過去問
65 歳の女性。上顎右側第二小臼歯のクラウン脱離を主訴として来院した。診察 の結果、前処置の後にクラウンを再製作することとした。初診時の口腔内写真(別 冊No. 27A)、エックス線画像(別冊No. 27B)及び前処置中の口腔内写真(別冊 No. 27C)を別に示す。 この前処置において考慮すべきなのはどれか。4 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: a・b・c・e
正答
a、b、c、e
この問題のポイント
クラウン再製作前の歯冠長延長処置では、健全歯質の確保と生物学的幅径、補綴スペース、支台歯の予後を総合して判断します。
解説
歯肉縁下まで歯質欠損が及ぶ場合、歯槽骨を削除して歯肉縁を根尖側へ移動し、支台歯形成と印象採得が可能な健全歯質を露出させます。この際、残存歯根長との関係から歯冠歯根長比を確認し、補綴装置の抵抗性を確保するフェルールの高さを検討します。
また、クラウン材料に必要な厚みを得るため、対合歯とのクリアランスを確認します。上顎洞底の位置は外科処置一般で重要なことがありますが、本処置の主要な判断項目ではありません。
画像の確認
実画像Aでは上顎右側第二小臼歯部に低い残存歯質が露出し、Bでは根管治療歯と周囲歯槽骨の高さが確認できる。Cは歯冠長延長のため歯周組織を外科的に処置している場面である。再補綴には歯冠歯根長比、必要な歯槽骨削除量、確保できるフェルール高、対合歯とのクリアランスを画像上で検討する。
選択肢の確認
a.歯冠歯根長比
正しい。
歯槽骨削除後の支持量を予測するため、歯冠歯根長比を考慮します。
b.歯槽骨の削除
正しい。
健全歯質を露出し生物学的幅径を確保するため、必要に応じて歯槽骨を削除します。
c.フェルールの高さ
正しい。
支台歯周囲に十分なフェルールを確保できるかは破折予防に重要です。
d.上顎洞底との位置関係
誤り。
上顎洞底との位置関係は本症例の歯冠長延長処置の主要な判断項目ではありません。
e.対合歯とのクリアランス
正しい。
クラウン材料の厚みと咬合調整のため、対合歯とのクリアランスを確認します。
覚えるポイント
- 歯冠長延長では生物学的幅径と健全歯質を確保します。
- 歯冠歯根長比とフェルールを確認します。
- 補綴材料に必要な咬合面クリアランスも重要です。