118D072|第118回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科補綴学
66 歳の男性。しゃべりにくいことを主訴として来院した。1 年前に脳梗塞を発 症したという。検査の結果、現在使用中の全部床義歯にある装置を付与することと した。装置を付与した義歯の写真(別冊No. 28A、B)を別に示す。 改善が期待されるのはどれか。2 つ選べ。

2つ選択
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正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
脳梗塞後の軟口蓋麻痺に用いるパラタルリフトは、軟口蓋を挙上して鼻咽腔閉鎖を補助します。改善するのは軟口蓋の位置と鼻からの息もれです。
解説
パラタルリフトは、軟口蓋の組織欠損がないものの運動が低下している患者に用います。義歯後方部から延長した装置で軟口蓋を上方へ持ち上げ、発音時の鼻咽腔閉鎖を助けます。
オブチュレータのように組織欠損を物理的に栓塞する装置とは異なります。
画像の確認
実画像では、上顎全部床義歯の後縁中央から細長いレジン部が後方へ延長され、先端が軟口蓋を持ち上げる形態になっている。これは軟口蓋挙上装置であり、軟口蓋の位置を補正して鼻咽腔閉鎖を助け、鼻からの息もれを減らす。
選択肢の確認
a.舌 圧
誤り。
パラタルリフトは舌圧を直接増強する装置ではありません。
b.咀嚼能率
誤り。
咀嚼能率は人工歯・咬合・義歯支持などの影響が大きく、装置の主な改善対象ではありません。
c.軟口蓋の位置
正しい。
装置が軟口蓋を挙上し、発音に適した位置へ補助します。
d.鼻咽腔の栓塞
誤り。
鼻咽腔の栓塞は組織欠損を閉鎖するオブチュレータの作用です。パラタルリフトは軟口蓋を挙上します。
e.鼻からの息もれ
正しい。
鼻咽腔閉鎖が改善することで、発音時の鼻からの息もれが減少します。
覚えるポイント
- パラタルリフトは軟口蓋運動不全に用います。
- 軟口蓋を挙上し、鼻漏気を減らします。
- 組織欠損を閉じるオブチュレータと区別します。