119A037|第119回 歯科医師国家試験 過去問
78 歳の男性。下顎右側第二大臼歯の抜去が予定された。糖尿病と不整脈の既往 があるという。抜歯処置を開始したところ、突然、右片麻痺と構音障害が出現し た。このときの生体情報モニタ画面の写真(別冊No. 6)を別に示す。血糖値は 145 mg/dL であった。 最も考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
突然発症した片麻痺と構音障害は、局在性神経症状であり脳梗塞を最も疑います。
解説
本症例では抜歯中に突然、右片麻痺と構音障害が出現しています。これらは左大脳半球の運動・言語関連領域の虚血を示唆する典型的な局在性神経症状です。不整脈の既往は心原性脳塞栓症のリスクになります。
血糖値は145 mg/dLであり、低血糖による意識障害や神経症状は考えにくい状態です。歯科処置を中止し、発症時刻を確認して救急要請し、脳卒中対応可能な医療機関へ迅速に搬送します。
全身管理上の注意点
FASTの視点で顔面麻痺、上肢麻痺、言語障害、発症時刻を確認し、歯科処置を中止して救急要請します。
画像の確認
実画像のモニタでは血圧123/84 mmHg、心拍数75/分、SpO₂ 97%で循環虚脱や低酸素はない一方、心電図はR-R間隔が不規則で心房細動を示唆する。不整脈既往に突然の右片麻痺と構音障害が加わった像から、塞栓性脳梗塞が最も考えられる。
選択肢の確認
a.脳梗塞
正答。最も考えられます。
突然の右片麻痺と構音障害は急性脳血管障害の典型で、不整脈の既往から脳梗塞を強く疑います。
b.低血糖発作
考えにくいです。
血糖値は145 mg/dLで低血糖ではありません。低血糖では発汗、振戦、意識変容などを伴いますが、本症例の局在性神経症状とは合いません。
c.過換気症候群
考えにくいです。
過換気症候群では頻呼吸、口周囲・四肢のしびれ、手指硬直などがみられますが、突然の片麻痺は典型的ではありません。
d.血管迷走神経反射
考えにくいです。
血管迷走神経反射では顔面蒼白、徐脈、血圧低下、意識消失が中心で、片麻痺や構音障害は説明できません。
e.アナフィラキシーショック
考えにくいです。
アナフィラキシーでは皮膚・粘膜症状、喘鳴、血圧低下などを認めます。局在性の片麻痺は典型的ではありません。
覚えるポイント
- 突然の片麻痺・構音障害は脳卒中を疑います。
- 発症時刻の確認と迅速な救急搬送が重要です。
- 低血糖は血糖値で除外し、局在性神経症状の有無を重視します。