27AM42|第27回 精神保健福祉士国家試験 過去問
事例を読んで、成年後見の開始がAさんに及ぼす影響に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。 〔事 例〕 Aさん(30歳)は、交通事故の被害に起因する高次脳機能障害で判断力が著しく低下し生活が困難となったので、親族のBさんが成年後見開始の審判の申立てをすることとなった。Aさんは、この審判によって自分にどのような影響が及ぶのかを心配している。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
成年後見開始の審判を受けても、選挙権や職業・役員資格を一律に失うわけではないという、成年被後見人等の欠格条項見直しを理解する問題です。
解説
成年後見制度は本人の権利と利益を守るための制度であり、審判を受けたことだけを理由に社会参加の機会を包括的・自動的に奪うものではありません。成年被後見人の選挙権を一律に制限する規定は2013年に削除され、2019年成立の成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図る法律などにより、多くの資格・職種の欠格条項も見直されました。必要な能力は、それぞれの職務や役職について個別に判断されます。したがって、選択肢1から4はいずれも「当然に」とする点が誤りで、5が正答です。
選択肢の確認
1.Aさんは当然に国政の選挙権を失うこととなる。
→ 適切ではありません。成年被後見人であることを理由に選挙権を一律に失わせる規定は削除されており、後見開始だけで当然に失権しません。
2.Aさんは当然に公務員になることができなくなる。
→ 適切ではありません。成年被後見人であることのみを理由とする一律の欠格条項は見直され、職務遂行能力などを個別・実質的に判断します。
3.Aさんは当然に社会福祉法人の理事になることができなくなる。
→ 適切ではありません。社会福祉法人の理事についても、成年後見開始だけを理由に当然に就任できないとする一律の扱いではありません。
4.Aさんは当然に株式会社の役員になることができなくなる。
→ 適切ではありません。会社法上も成年被後見人等を取締役の一律の欠格事由とする規定は削除され、審判だけで当然に排除されません。
5.上記1から4までの記述はいずれも不適切である。
→ 最も適切であり、正答です。1から4はいずれも、成年後見開始により権利又は資格を「当然に」失うという誤った前提に立っています。
覚えるポイント
成年後見は本人保護の仕組みであって一律の社会的排除の根拠ではありません。「当然に資格を失う」という表現には特に注意しましょう。