28AM67|第28回 精神保健福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、多文化ソーシャルワーク(Multicultural Social Work)について著したスー(Sue, D.W.)による言説として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
スーの多文化ソーシャルワークでは、文化を共有され学習された生活様式・信念・価値等の総体として捉えます。文化的コンピテンス、マイクロアグレッション、バイカルチュラリズム等の定義を混同しません。
解説
「歴史の中で、人々が、行い、信じ、大切にし、そして享受するために学んだすべてのこと」という3は、文化を静的な属性ではなく、歴史的に学習・共有されるものとして捉えるスーの説明に合致します。支援者は出身国や民族だけから本人の価値観を決めつけず、自らの文化的前提と権力関係も振り返り、本人の意味づけを聴きます。
選択肢の確認
1.文化的コンピテンス(Cultural Competence)を「ソーシャルワーカーの最適な発達を最大限に促したり、そのための環境を創出する教育的能力」と捉えた。
誤り。文化的コンピテンスは多様な文化的背景を理解し、適切に実践する認識・知識・技能等で、教育者能力に限定されません。
2.マイクロアグレッション(Microaggression)を「不特定多数の者に対して突発的に行う、根拠なき侮蔑行為」と捉えた。
誤り。日常の中で、しばしば無意識に特定の周縁化集団へ向けられる短い侮辱・否定的メッセージを指します。
3.文化(Culture)を「歴史の中で、人々が、行い、信じ、大切にし、そして享受するために学んだすべてのこと」と捉えた。
正答。文化を、歴史の中で人々が学び共有する行為・信念・価値・享受の総体として示しています。
4.バイカルチュラリズム(Biculturalism)を「二つの異なる文化圏で誕生したアメリカ社会が人々の生活を拘束していること」と捉えた。
誤り。個人が二つの文化に関わり、双方の文化的能力やアイデンティティをもつことに関する概念です。
5.人種/民族の曖昧さ(Racial/Ethnic Ambiguity)を「多文化社会での暮らしや雑婚により、自身の人種・民族的なアイデンティティが曖昧さの中で失われること」と捉えた。
誤り。他者から人種・民族を一義的に分類しにくい状態を指し、本人のアイデンティティが失われると決めつける概念ではありません。
覚えるポイント
文化は歴史的に学習・共有される動的なものです。多文化実践では、知識だけでなく自己認識、技能、制度的な権力への理解を統合します。