第105回
105AM020|第105回 助産師国家試験 過去問
出生届について正しいのはどれか。
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正解2
正答
2.出生の年月日時分及び場所を記入する欄がある。
この問題のポイント
出生届の根拠法、届出期間、届出義務者、記載事項という、戸籍法上の基本事項を問う問題です。判断の手がかりは「年月日時分」という細かい記載事項です。これは分娩に立ち会った助産師が出生証明書を作成するときに記入する項目でもあります。「戸籍法に基づく」「14日以内」「父母以外にも届出義務者がいる」の3点を押さえておけば、ほかの選択肢は確実に消去できます。
解説
出生届の根拠法と届出期間
出生届は戸籍法に基づく届出です。期限は出生の日から14日以内で、国外で出生した場合は3か月以内です。戸籍法では、届出期間は届出事件が発生した日から数え始めると定められています。そのため出生日を1日目として数え、たとえば4月1日生まれなら4月14日が期限です。届出先は、子の出生地、父母の本籍地、届出人の所在地のいずれかの市区町村です。正当な理由なく期間内に届け出ない場合は、過料の対象になります。
届出義務者
戸籍法第52条は、出生届の届出義務者を次のように定めています。
- 嫡出子は父または母が届け出ます。子の出生前に父母が離婚した場合は、母が届け出ます。
- 嫡出でない子は母が届け出ます。
- 上の届出をすべき者が届け出ることができない場合に限り、ほかの者に届出義務が生じます。第一に同居者、第二に出産に立ち会った医師、助産師またはその他の者が、この順序で義務を負います。この条件に当たるのは、嫡出子では父母のいずれも届け出られない場合(出生前に父母が離婚していれば、母が届け出られない場合)です。嫡出でない子では、母が届け出られない場合です。
- 届出をすべき者が届け出ることができない場合には、その者以外の法定代理人も届け出ることができます。
このように、届出をすべき者が届け出られない場合に備えて、父母以外の者が届け出ることも法律で想定されています。なお、届書を窓口に持っていくこと自体は、届出人以外の者(使者)が行ってもかまいません。
記載事項と出生証明書
戸籍法は届書の記載事項として、子の男女の別と嫡出子か否かの別、出生の年月日時分及び場所、父母の氏名・本籍などを定めています。さらに、出生証明書を届書に添付することとされています。出生証明書は、出産に立ち会った者のうち、医師、助産師、その他の者の順に1人が作成します。
実際の用紙は1枚で、左側が届書、右側が出生証明書です。出生証明書には次のような事項を記入します。
- 子の氏名と男女の別
- 生まれたとき(年月日と午前・午後の時分)
- 出生したところとその種別(病院、診療所、助産所、自宅など)
- 体重と身長
- 単胎・多胎の別(多胎なら何子中の第何子か)
- 母の氏名、妊娠週数、この母が出産した子の数
実践とのつながり
医師が立ち会わず、助産師が立ち会って介助した分娩では、助産師が出生証明書を作成します。助産所や自宅での分娩などがこれに当たります。保健師助産師看護師法は、助産師について次の2点を定めています。
- 分娩の介助をした助産師は、出生証明書の交付を求められたとき、正当な事由がなければ拒んではなりません。
- 自ら分娩の介助をしていない助産師は、出生証明書を交付してはなりません。
助産録にも、分娩の場所と年月日時分を記載することが定められています。出生証明書の出生時刻は、分娩記録や助産録と食い違わないよう正確に記入します。多胎での出生順や、日付をまたぐ出生での生年月日を決める根拠になるためです。用紙の記入の注意には、夜の12時は「午前0時」、昼の12時は「午後0時」と書くよう示されています。
市区町村長は、出生届をもとに人口動態調査の出生票を作成します。この出生票が、出生数、出生率、合計特殊出生率、低出生体重児の割合などを示す人口動態統計の基礎資料になります。また、母子健康手帳には「出生届出済証明」の欄があり、出生届が出されたことを市区町村が証明します。
選択肢の確認
1.母子保健法に規定されている。:出生届を定めているのは戸籍法で、母子保健法ではありません。母子保健法が定める届出は、妊娠の届出(速やかに市町村長へ)と低体重児の届出です。低体重児の届出は、体重2,500g未満の乳児が出生したときに、保護者が速やかに市町村へ届け出るものです。どちらも出生に関わる届出なので、低体重児の届出と混同しないよう注意します。
2.出生の年月日時分及び場所を記入する欄がある。:正答。戸籍法は、出生の年月日時分と出生場所を届書の記載事項として定めています。届書の「生まれたとき」「生まれたところ」の欄に記入するほか、添付する出生証明書にも、出生時刻(午前・午後の時分)と出生した場所およびその種別を記入します。
3.子の両親以外の代理人が届け出ることはできない。:戸籍法は、届出をすべき者が届け出られない場合に父母以外の者が届け出る仕組みを定めています。届出をすべき者は、嫡出子では原則として父または母、嫡出でない子では母です。この者が届け出られない場合は、第一に同居者、第二に出産に立ち会った医師・助産師・その他の者が、この順序で届出義務を負います。同じ場合には、届出をすべき者以外の法定代理人も届け出ることができます。たとえば嫡出でない子で、母が分娩後に重篤な状態となり届け出られないときは、同居者、次いで出産に立ち会った医師・助産師などが届け出ます。父母が婚姻中の嫡出子なら、母だけが届け出られないときは父が届け出ます。父母のいずれも届け出られないときに、初めて同居者などが届出義務を負います。父母以外の者による届出も法律で想定されているため、この記述は誤りです。
4.出生の日から7日以内に届け出るよう規定されている。:出生届の期限は出生の日から14日以内(国外での出生は3か月以内)です。7日以内という期限は、死亡届(死亡の事実を知った日から7日以内)や死産届(死産後7日以内)のものです。届出の種類と期限の取り違えを狙った選択肢です。
覚えるポイント
- 出生届は戸籍法に基づき、出生の日から14日以内(国外は3か月以内)に届け出ます。出生日を1日目として数えます。
- 死亡届も戸籍法に基づき、期限は死亡の事実を知った日から7日以内です。死産届は「死産の届出に関する規程」に基づき、妊娠満12週以後の死児の出産を、死産後7日以内に届け出ます。
- 母子保健法に基づく届出は、妊娠の届出(速やかに)と低体重児の届出(2,500g未満、速やかに)の2つです。
- 出生届の届出義務者は、嫡出子なら父または母、嫡出でない子なら母です。この届出をすべき者が届け出られないときに限り、同居者、次いで出産に立ち会った医師・助産師・その他の者の順に届出義務を負います。
- 出生証明書は、出産に立ち会った者のうち医師、助産師、その他の者の順に1人が作成します。記載事項は、出生の年月日時分、場所とその種別、体重・身長、単胎・多胎の別、妊娠週数などです。
- 出生届をもとに人口動態調査の出生票が作られ、出生率や低出生体重児の割合など、人口動態統計の基礎資料になります。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
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