第105回

105AM021|第105回 助産師国家試験 過去問

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉に規定されている制度で正しいのはどれか。

解答・解説を見る

正解3

正答

3.子の看護休暇は就学前の子を養育する労働者が取得できる。

この問題のポイント

育児・介護休業法が定める育児休業、子の看護休暇、パパ・ママ育休プラスについて、対象者と期間を区別できるかを問う問題です。判断の鍵は次の3点です。1つ目は、育児休業の期間が出産日からではなく「子が1歳に達するまで」と子の年齢で決まることです。2つ目は、パパ・ママ育休プラスで延びるのが取得できる期間の終わりであって、1人あたりの日数ではないことです。3つ目は、出題当時の子の看護休暇の対象が小学校就学前の子であることです。配偶者が専業主婦の労働者を除外できた旧規定がすでに廃止されている点もあわせて確認します。

解説

関係する法律の役割分担

妊娠・出産・育児期の労働者を支える法律は複数あり、それぞれ役割が分かれています。

  • 労働基準法:産前産後休業と育児時間を定めています。
  • 男女雇用機会均等法:妊娠中・産後に保健指導や健康診査を受けるための時間の確保と、指導事項を守るための措置を定めています。
  • 育児・介護休業法:子の養育や家族の介護のための休業・休暇と、勤務上の配慮を定めています。
  • 雇用保険法:育児休業中の所得保障(育児休業給付)を定めています。

助産師は妊婦健診、両親学級、産後の保健指導で、職場復帰や父親の育児参加について相談を受けることがよくあります。どの制度がどの法律に基づき、誰が対象で、いつまで使えるのかを正確に説明できることが求められます。

各制度の対象と期間(出題当時)

育児休業は、労働者が事業主に申し出ることで、原則として子が1歳に達するまで取得できます。父親も母親も対象です。保育所等に入れないなどの事情があれば1歳6か月まで、それでも事情が続けば2歳まで延長できます。出産した母親の場合、産後8週間は労働基準法の産後休業にあたるため、育児休業はその終了後から始まります。父親は子の出生日から取得できます。このように、期間を決める基準は「子の年齢」です。

配偶者が専業主婦(夫)の労働者も育児休業を申し出ることができます。かつては労使協定を結べば、配偶者が常態として子を養育できる労働者を育児休業の対象外にできました。しかしこの規定は2009年の法改正(2010年施行)で廃止されています。父親の育児参加を促すための改正で、同じ改正でパパ・ママ育休プラスも設けられました。

パパ・ママ育休プラスは、父母がともに育児休業を取得する場合に、休業できる期間の終わりを子が1歳2か月に達するまで延長する特例です。1人が取得できる期間の上限は1年間のまま変わりません。出産した母親の場合は、産後休業期間を含めて1年間が上限です。父母が時期をずらして取得すれば、子が1歳を過ぎてから1歳2か月までの期間も親が家庭で育てられる、というのがこの制度の意味です。

子の看護休暇は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が、事業主に申し出て取得できる休暇です。

  • 日数は、対象の子が1人なら1年度に5日、2人以上なら10日が限度です。
  • けがや病気の子の世話のほか、予防接種や健康診断を受けさせるためにも使えます。
  • 2021年1月からは時間単位で取得できるようになっていました。
  • 休暇中を有給とするか無給とするかは法律で定められておらず、事業主の判断に委ねられています。

子の年齢で制度を整理すると、出題当時は次のようになっていました。

  • 3歳未満の子を養育する労働者:短時間勤務制度(1日原則6時間)、所定外労働の制限。
  • 小学校就学前の子を養育する労働者:子の看護休暇、時間外労働の制限(月24時間・年150時間まで)、深夜業の制限。

以上から、制度を正しく述べているのは選択肢3です。

出題後の改正

2021年の法改正により、2022年10月から「産後パパ育休(出生時育児休業)」が新設されました。子の出生後8週間以内に最長4週間取得できる制度です。同時に、通常の育児休業も2回に分割して取得できるようになり、出題当時にあった「パパ休暇」は廃止されました。

さらに2024年の法改正(2025年4月施行)で、子の看護休暇は「子の看護等休暇」に名称が変わりました。対象は小学校3年生修了までの子に拡大され、感染症に伴う学級閉鎖等や入園(入学)式・卒園式も取得理由に加わっています。同じ改正で、所定外労働の制限の対象も小学校就学前の子まで広がりました。出題当時の正答は変わりませんが、現在の制度を説明するときは区別が必要です。

選択肢の確認

1.専業主婦の配偶者は育児休業を申請できない。:配偶者が専業主婦(夫)であることを理由に育児休業の対象から外せる規定は、2009年の法改正(2010年施行)で廃止されています。出題当時は、配偶者が家庭で子を養育できる状況でも、労働者は事業主に育児休業を申し出ることができ、事業主はこれを拒めません。労使協定で対象外にできるのは、継続雇用期間1年未満の労働者や週の所定労働日数が2日以下の労働者などに限られます。旧規定のまま覚えていると選んでしまう記述で、誤りです。

2.育児休業は出産日から起算して1年まで取得できる。:育児休業の期間は、出産日を起点とする一律の期間ではなく「子が1歳に達するまで」と子の年齢で定められています。出産した母親は産後8週間が労働基準法の産後休業にあたるため、育児休業はその後に始まります。また、保育所等に入れない場合などは1歳6か月、さらに2歳まで延長できます。父母がともに取得すればパパ・ママ育休プラスで1歳2か月まで取得できる期間が延びるので、「1年まで」と上限を固定する点も不正確です。原則の終期である「子の1歳」と取り違えやすい記述ですが、誤りです。

3.子の看護休暇は就学前の子を養育する労働者が取得できる。:正答。出題当時の育児・介護休業法では、子の看護休暇の対象は小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者です。1年度に5日(子が2人以上なら10日)まで取得できます。負傷や疾病の子の世話、予防接種や健康診断の付き添いに使え、時間単位での取得も認められていました。現在は2025年4月施行の改正で「子の看護等休暇」となり、対象は小学校3年生修了までに拡大されています。

4.パパ・ママ育休プラスは夫婦がそれぞれ1年2か月育児休業を取得できる。:パパ・ママ育休プラスで延びるのは育児休業を取得できる期間の終わり(子が1歳2か月に達するまで)で、1人が取得できる期間の上限は1年間のままです。出産した母親は産後休業期間を含めて1年間が上限です。「1歳2か月」という数字を1人あたりの休業期間と取り違えると選んでしまいますが、夫婦がそれぞれ1年2か月休業できるわけではないので、記述は誤りです。

覚えるポイント

  • 育児休業は原則「子が1歳に達するまで」です。保育所に入れない等の事情があれば1歳6か月、さらに2歳まで延長できます。母親は産後休業(労働基準法、産後8週間)が終わってから育児休業に入ります。
  • パパ・ママ育休プラスは、父母ともに取得すると休業期間の終わりが子の1歳2か月まで延びる制度です。1人あたりの上限は1年(母親は産後休業を含めて1年)で変わりません。
  • 子の看護休暇(出題当時)は小学校就学前の子が対象で、年5日、子が2人以上なら年10日、時間単位でも取得できます。2025年4月からは「子の看護等休暇」として小学校3年生修了までに拡大されています。
  • 配偶者が専業主婦(夫)でも育児休業は取得できます。除外規定は2010年施行の改正で廃止されました。
  • 産前産後休業と育児時間は労働基準法、保健指導・健康診査の時間確保は男女雇用機会均等法、育児休業と看護休暇は育児・介護休業法、育児休業給付は雇用保険法です。
  • 2022年10月から産後パパ育休(出生後8週間以内に最長4週間)と育児休業の分割取得が始まり、パパ休暇は廃止されました。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する(medixmatch2025@gmail.com)までお知らせください。確認して修正します。

解いた記録を残して、苦手な問題をもう一度。

学習アプリなら、この問題の解答記録・メモ・暗記カード化を使えます。