第106回

106PM020|第106回 助産師国家試験 過去問

母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定されている制度はどれか。

解答・解説を見る

正解2

正答

2.生活資金の貸付

この問題のポイント

ひとり親家庭を支える制度が、どの法律に基づくかを見分ける問題です。母子及び父子並びに寡婦福祉法の柱は「福祉資金の貸付」「母子・父子自立支援員による相談」「日常生活支援・就業支援」です。扶助・手当・入所施設はそれぞれ別の法律に基づきます。制度名に「母子」「児童」「扶養」が含まれるものが多いため、名前の印象ではなく根拠法で整理しておくことが鍵になります。

解説

法律の目的と主な規定

母子及び父子並びに寡婦福祉法は、母子家庭・父子家庭(あわせて母子家庭等)と寡婦の生活の安定と向上のために必要な措置を講じ、その福祉を図ることを目的とする法律です。1964年の母子福祉法に始まり、寡婦を対象に加えた母子及び寡婦福祉法を経て、2014年の改正で父子家庭への支援が拡充され、現在の名称になりました。出題当時もこの名称と体系であり、正答に関わる内容は現在も変わっていません。

この法律でいう「児童」は20歳未満の者です。「寡婦」は、配偶者のない女子のうち、かつて配偶者のない女子として児童を扶養していたことのある者を指します。子が成人した後も支援が続く点が、この法律の特徴です。

主な規定は次のとおりです。

  • 母子福祉資金・父子福祉資金・寡婦福祉資金の貸付(都道府県・指定都市・中核市が実施)
  • 母子・父子自立支援員による相談・指導
  • 母子家庭日常生活支援事業などの家事・育児支援
  • 就業支援事業と、自立支援教育訓練給付金・高等職業訓練促進給付金などの自立支援給付金
  • 公営住宅の供給や保育所入所に関する特別の配慮
  • 母子・父子福祉センター、母子・父子休養ホームといった母子・父子福祉施設

福祉資金は12種類あります。事業開始資金、事業継続資金、修学資金、技能習得資金、修業資金、就職支度資金、医療介護資金、生活資金、住宅資金、転宅資金、就学支度資金、結婚資金で、いずれも無利子または低利で貸し付けられます。このうち生活資金は、技能を習得している間、医療・介護を受けている間、ひとり親になって間もない時期、失業中などの生活費を補うための資金です。

紛らわしい制度の根拠法

  • 生活保護法:生活・教育・住宅・医療・介護・出産・生業・葬祭の8扶助を定めています。困窮の程度に応じた給付で、福祉事務所が窓口です。
  • 特別児童扶養手当等の支給に関する法律:障害児を監護する父母等への特別児童扶養手当のほか、障害児福祉手当と特別障害者手当を定めています。
  • 児童扶養手当法:ひとり親家庭などの児童を監護・養育する者に支給される児童扶養手当を定めています。ひとり親向けの制度ですが、母子父子寡婦福祉法の制度ではありません。
  • 児童福祉法:児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設などの児童福祉施設を定めています。
  • 母子保健法:母子健康手帳、妊婦健康診査、乳幼児健康診査などを定めています。

判断の流れと助産実践とのつながり

設問は「母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定されている制度」を問うているので、各選択肢の根拠法を思い浮かべて照合します。扶助は生活保護法、手当は個別の手当法、施設入所は児童福祉法と整理すると、この法律独自の制度として残るのは福祉資金の貸付です。

未婚で出産する女性や、妊娠中・産後に離別・死別してひとり親となる女性は、経済的困窮や育児負担が重なりやすく、特定妊婦や要支援家庭となることがあります。助産師には、そうした女性を市区町村の福祉事務所や母子・父子自立支援員につなぎ、福祉資金の貸付、児童扶養手当、保育所の優先的な利用などについて情報提供することが求められます。どの窓口が、どの法律に基づく制度を扱っているかを知っていることが、適切な連携の前提になります。

選択肢の確認

1.生活扶助:生活保護法に定める8種類の扶助の一つで、食費・被服費・光熱水費など、日常生活の基本的な需要に対する給付です。ひとり親家庭も要件を満たせば受給できますが、母子及び父子並びに寡婦福祉法の制度ではありません。生活保護にはひとり親世帯向けの母子加算もありますが、これも生活保護法の枠内の加算です。また、返済が不要な給付であり、貸付である選択肢2とは性質が異なります。

2.生活資金の貸付:正答。母子父子寡婦福祉資金12種類の一つとして、この法律に規定されています。技能習得中、療養中、ひとり親になって間もない時期、失業中などの生活費を補うための資金で、都道府県・指定都市・中核市が無利子または低利で貸し付けます。

3.特別児童扶養手当:20歳未満で精神または身体に障害のある児童を、家庭で監護・養育している父母等に支給される手当です。根拠は、障害児福祉手当・特別障害者手当とあわせて定める専用の支給法です。ひとり親であることは支給要件ではありません。ひとり親家庭向けの児童扶養手当(児童扶養手当法)と名称が似ていて混同しやすいものの、どちらも母子及び父子並びに寡婦福祉法の制度ではありません。

4.児童養護施設の利用:この施設は児童福祉法第41条に規定される児童福祉施設です。保護者のない児童や虐待を受けた児童など、環境上養護を要する児童を入所させて養護し、退所後の自立も支援します。入所は児童相談所を通じた都道府県等の措置によるもので、母子及び父子並びに寡婦福祉法の制度ではありません。母と子がともに入所する母子生活支援施設も、名称に反して児童福祉法の施設である点に注意します。

覚えるポイント

  • 母子及び父子並びに寡婦福祉法の柱は、福祉資金の貸付(12種類)、母子・父子自立支援員、日常生活支援事業、就業支援・自立支援給付金です。
  • 同法の「児童」は20歳未満です。「寡婦」はかつてひとり親として児童を扶養していた配偶者のない女子で、子の成人後も支援の対象になります。
  • 生活保護法の扶助は8種類(生活・教育・住宅・医療・介護・出産・生業・葬祭)で、いずれも貸付ではなく給付です。
  • 手当の根拠法は、児童手当=児童手当法、児童扶養手当(ひとり親)=児童扶養手当法、特別児童扶養手当(障害児)=特別児童扶養手当等の支給に関する法律です。
  • 児童養護施設・乳児院・母子生活支援施設は児童福祉法、母子健康手帳・妊婦健診は母子保健法に基づきます。母子父子寡婦福祉法の施設は、母子・父子福祉センターと母子・父子休養ホームです。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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