第106回

106PM019|第106回 助産師国家試験 過去問

日本人の初産婦から在胎41週0日で出生した出生体重3,950 g、身長51.0 cmの男児の分類で正しいのはどれか。

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正解3

正答

3.heavy-for-dates児

この問題のポイント

出生児を「在胎週数」「出生体重の絶対値」「在胎週数に対する体格」という別々の軸で分類できるかを問う問題です。在胎41週0日は正期産で、3,950 gは4,000 gに届きません。一方、同じ週数・性別・初産の標準値と比べると、体重は90パーセンタイルを上回り、身長51.0 cmは90パーセンタイルに達しません。「体重だけが大きい」のか「体重も身長も大きい」のかが、heavyとlargeを分ける鍵です。

解説

問題文の手がかりは「在胎41週0日」「出生体重3,950 g」「身長51.0 cm」「日本人の初産婦」「男児」の5つです。新生児の分類には判定の軸が3つあり、それぞれを別々に当てはめます。

  • 在胎週数による分類:早産児(22週0日〜36週6日)、正期産児(37週0日〜41週6日)、過期産児(42週0日以降)。
  • 出生体重の絶対値による分類:低出生体重児(2,500 g未満)、極低出生体重児(1,500 g未満)、超低出生体重児(1,000 g未満)、高出生体重児(4,000 g以上)。産科では4,000 g以上の児を巨大児ともいいます。どれも在胎週数は考慮しません。
  • 在胎週数に対する体格による分類:同じ在胎週数の児の体重・身長の分布(パーセンタイル)と比べて評価します。

3つ目の分類では、日本小児科学会が2010年に示した在胎期間別出生時体格標準値を使います。この標準値は日本人の出生データから作られています。出生時の体格は性別や初産・経産で差があるため、出生体重の標準値は男女別・初産経産別に示されています。問題文がわざわざ「日本人の初産婦」「男児」と書いているのは、どの基準を当てはめるかを指定するためです。

体格による分類では、10〜90パーセンタイルの児をAFD(appropriate-for-dates)児とし、その外側を次のように呼び分けます。

  • 体重だけが10パーセンタイル未満:light-for-dates(LFD)児
  • 体重・身長ともに10パーセンタイル未満:small-for-dates(SFD)児(SGA児とも呼ばれます)
  • 体重だけが90パーセンタイルを上回る:heavy-for-dates(HFD)児
  • 体重・身長ともに90パーセンタイルを上回る:large-for-dates児

小さい側と大きい側で、「体重だけ(light/heavy)」と「体重と身長の両方(small/large)」が対になっていると覚えると整理しやすくなります。

本問に当てはめます。まず、41週0日は正期産です。次に、3,950 gは4,000 gに届かないため、巨大児(高出生体重児)ではありません。最後に初産・男児・在胎41週の標準値と比べると、体重3,950 gは90パーセンタイルを上回ります。一方、身長51.0 cmは標準的な範囲にあり、90パーセンタイルには達しません。体重だけが大きい児なので、heavy-for-dates児に分類されます。

この分類は、出生前後の観察計画に直結します。HFD児の背景には、糖尿病合併妊娠や妊娠糖尿病、母体の肥満、妊娠中の体重増加過多などがあることがあります。そのため、次の点に注意が必要です。

  • 出生後の低血糖
  • 分娩時の肩甲難産と、それに伴う鎖骨骨折・腕神経叢麻痺
  • 糖尿病母体児では、多血症や高ビリルビン血症

助産師は、推定体重の大きい児では分娩時の肩甲難産への備えを確認します。出生後は早期に血糖を測定し、振戦・哺乳不良・無呼吸などの低血糖症状を観察するとともに、母体の糖代謝の情報を確認します。巨大児の基準に届かないからといって「普通の体格」と判断せず、週数に対する相対評価でリスクのある児を拾い上げることが大切です。

選択肢の確認

1.巨大児:在胎週数に関係なく、出生体重4,000 g以上の児を指す体重の絶対値による用語です。本児は3,950 gで基準にわずかに届かないため、該当しません。4,000 g以上の児は高出生体重児とも呼ばれます。週数に対する相対評価であるHFD児とは、判定の軸がまったく異なります。「4,000 gに近いがわずかに届かない」という数値は、この取り違えを誘うための設定です。

2.過期産児:過期産は在胎42週0日以降の分娩を指し、41週0日で出生した本児は正期産(37週0日〜41週6日)の児です。「予定日を過ぎた=過期」と誤解しやすい点がねらわれています。42週以降の出生であれば該当し、その場合は胎盤機能の低下に伴う皮膚の乾燥・落屑や胎脂の減少、羊水混濁と胎便吸引症候群などに注意します。

3.heavy-for-dates児:正答。在胎週数や性別などに対応する標準値で、出生体重だけが90パーセンタイルを上回り、身長は90パーセンタイルを上回らない児を指します。本児は、在胎41週の初産・男児として体重3,950 gが90パーセンタイルを超え、身長51.0 cmは標準的な範囲にあります。したがってこの分類に当てはまります。体重の絶対値で決める選択肢1とは異なり、週数に対する相対評価である点が重要です。

4.large-for-dates児:体重に加えて身長も在胎週数相当の90パーセンタイルを上回る、体格全体が大きい児を指す分類です。本児は身長51.0 cmが90パーセンタイルに達していないため、該当しません。英語の意味(heavy=重い、large=大きい)から「体重だけ」か「体格全体」かを連想すると、選択肢3と区別しやすくなります。

覚えるポイント

  • 在胎週数:早産は22週0日〜36週6日、正期産は37週0日〜41週6日、過期産は42週0日以降です。41週台はまだ正期産です。
  • 出生体重の絶対値(週数を問わない):低出生体重児は2,500 g未満、極低出生体重児は1,500 g未満、超低出生体重児は1,000 g未満、巨大児(高出生体重児)は4,000 g以上です。「未満」と「以上」の境界に注意します。
  • 週数に対する体格:10〜90パーセンタイルがAFD児です。体重のみ10パーセンタイル未満はlight-for-dates、体重・身長とも10パーセンタイル未満はsmall-for-dates(SGA)です。体重のみ90パーセンタイル超はheavy-for-dates、体重・身長とも90パーセンタイル超はlarge-for-datesです。
  • 体格の判定には、日本人の在胎期間別出生時体格標準値を用います。出生体重は男女別・初産経産別に示されているため、体重だけでなく身長も必ず確認します。
  • 巨大児とHFD児は別の軸で決まります。HFD児では低血糖と分娩外傷(肩甲難産など)を想定し、出生後の血糖確認と母体の糖代謝の把握を行います。

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