第105回
105PM022|第105回 助産師国家試験 過去問
平成30年度(2018年度)の雇用均等基本調査において、女性の育児休業取得率に最も近いのはどれか。
解答・解説を見る
正解3
正答
3.80%
この問題のポイント
厚生労働省の雇用均等基本調査で示される、女性の育児休業取得率の水準を問う統計問題です。平成30年度の女性の取得率は82.2%でした。女性の取得率は平成19年度以降8割を下回ったことがなく、平成21年度以降は8割台で推移しています。取得率の分母が「在職中に出産した女性」であることと、男性の取得率(同年度6.16%)との大きな差もあわせて押さえると、関連問題にも対応できます。
解説
雇用均等基本調査と育児休業取得率の定義
雇用均等基本調査は、厚生労働省が毎年10月1日現在で行う調査です。男女の雇用均等に関する企業の取組や、育児・介護休業制度の利用状況を把握することを目的としています。
平成30年度調査での女性の育児休業取得率は、次の割合です。
- 分母:平成28年10月1日〜平成29年9月30日の1年間に在職中に出産した女性
- 分子:そのうち、平成30年10月1日までに育児休業を開始した者(申出をしている者を含む)
男性は、同じ期間に配偶者が出産した男性を分母として算出します。
大切なのは、妊娠を機に出産前に退職した女性は分母に含まれない点です。したがって「約8割」は、出産時点で雇用されていた女性の約8割が育休を取ったという意味です。「働く女性の8割が出産後も仕事を続けている」という意味ではありません。第1子出産前後の就業継続の状況は、国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査で別に把握されており、指標としては別物です。
数値の推移
女性の取得率は、1990年代後半には5割前後、2000年代前半には6〜7割台でした。その後大きく上昇し、平成19年度に89.7%と約9割に達し、平成20年度の90.6%が最高です。平成21年度以降は80%台で推移し、平成30年度は82.2%でした。出題当時(2022年2月)に公表されていた最新値である令和2年度も81.6%で、8割台の水準は変わっていません。
男性は平成30年度6.16%、令和元年度7.48%と1桁台でした。令和2年度に12.65%となり、その後急速に上昇して令和5年度には30.1%に達しています。
制度の背景と助産師の役割
育児休業は育児・介護休業法に基づく制度です。原則として子が1歳に達するまで取得できます。保育所に入れない等の事情があれば1歳6か月まで、さらに最長2歳まで延長できます。両親がともに取得する場合は、パパ・ママ育休プラスにより1歳2か月まで対象期間が延びます。休業中の所得保障は雇用保険の育児休業給付で、休業開始から180日間は休業開始時賃金の67%、その後は50%が支給されます。一方、産前産後休業は労働基準法の規定です。
出題当時は、男性の取得を促すための2021年改正法がすでに公布されていましたが、主な部分は施行前でした。その後、2022年10月から産後パパ育休(出生時育児休業)が始まりました。これは子の出生後8週間以内に最大4週間まで、2回に分割して取得できる制度です。男性の取得率については、2020年の少子化社会対策大綱で「2025年に30%」という目標が掲げられ、その後さらに高い目標へ引き上げられています。
助産師は、妊娠期の保健指導や両親学級で、これらの休業制度と給付を説明する立場にあります。取得の実態を知っておくと、パートナーの育休取得や職場への早めの申出を具体的に後押しできます。
選択肢の確認
1.50%:女性の取得率が5割前後だったのは1990年代後半の水準です。平成30年度の82.2%より30ポイント以上低い値です。「出産を機に半数近くが退職する」という印象から選びやすい値ですが、この調査の分母は在職中に出産した女性に限られ、出産前の退職者は含まれないことを押さえておきましょう。
2.65%:この値は2000年代前半の水準に近いものです。平成19年度以降、女性の取得率は出題当時まで8割を下回った年度がありません。取得率が上がり始めた時期の数値と取り違えないように注意が必要です。
3.80%:正答。平成30年度の女性の育児休業取得率は82.2%で、4つの選択肢の中で最も近い値です。女性は長く8割台で推移していると覚えておけば、年度が変わっても判断できます。
4.95%:女性の取得率が最も高かったのは平成20年度の90.6%で、95%に達した年度はありません。在職中に出産しても育休を取らずに退職する人がいます。また、有期契約労働者には取得要件が設けられていたため、取得率が9割台後半になるには至っていません。
覚えるポイント
- 雇用均等基本調査(厚生労働省)平成30年度の育児休業取得率は、女性82.2%、男性6.16%です。
- 女性は平成19年度以降8割を下回ったことがなく、最高は平成20年度の90.6%、平成21年度以降は8割台で推移しています。「女性は約8割」と覚えます。
- 女性の取得率の分母は「在職中に出産した女性」です。出産前に退職した人は含まれないため、就業継続率とは別の指標です。
- 男性は令和2年度12.65%、令和5年度30.1%と急上昇しています。産後パパ育休(2022年10月開始)などの制度整備が背景にあります。
- 育児休業は育児・介護休業法の制度で、原則1歳まで、延長は最長2歳まで、パパ・ママ育休プラスは1歳2か月までです。給付は開始180日間が賃金の67%、以降50%です。産前6週(多胎14週)・産後8週の休業は労働基準法の規定です。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する(medixmatch2025@gmail.com)までお知らせください。確認して修正します。
解いた記録を残して、苦手な問題をもう一度。
学習アプリなら、この問題の解答記録・メモ・暗記カード化を使えます。