60AM088|第60回 作業療法士国家試験 過去問
胃全摘出術後の悪性貧血に関与するのはどれか。
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正解: 3
正答
3.ビタミンB₁₂
この問題のポイント
胃全摘出術後、悪性貧血(巨赤芽球性貧血)が発症する主な原因は、胃から分泌される内因子の欠如です。この内因子は、ビタミンB₁₂の回腸吸収に必須であり、胃全摘後ではその産生が不可能になります。結果、ビタミンB₁₂欠乏が進行し、DNA合成障害を引き起こすことで悪性貧血が生じます。
解説
胃全摘出術では、胃の壁細胞が除去され、その中で生成される内因子(Castle内因子)が消失します。この内因子は、回腸でビタミンB₁₂を結合させて吸収するための必須因子です。その欠如により、ビタミンB₁₂が体内に十分に吸収されず、赤血球の成熟が阻害されます。その結果、赤血球が大きくなり、巨赤芽球(巨赤芽球性)を特徴とする悪性貧血が発症します。この病態は、術後数年後に進行するため、長期的なフォローが必要です。
作業療法の観点では、患者のADL(日常生活能力)に影響を与える可能性があるため、貧血による疲労、認知低下、運動機能低下に注意が必要です。治療的介入としては、ビタミンB₁₂補給(注射療法)が中心となります。
選択肢の確認
1.ビタミンB1:Wernicke脳症や脚気の原因。悪性貧血とは無関係。
2.ビタミンB2:口内炎・角膜炎を引き起こす。貧血とは無関係。
3.ビタミンB12:胃全摘後、内因子欠乏により吸収障害 → 悪性貧血発症。正解。
4.ビタミンC:壊血病の原因。貧血の機序とは無関係。
5.ビタミンD:骨軟化症・くる病に関連。悪性貧血とは無関係。
覚えるポイント
「胃→内因子→ビタミンB₁₂吸収→悪性貧血」の因果関係を記憶。胃全摘後は、内因子が失われるため、ビタミンB₁₂が吸収されない。これが悪性貧血の根本原因となる。