109Q119第109回 薬剤師国家試験 過去問

2 種類の染色法を用いて細菌Aについて調べた。染色法1 (グラム染色)では 明瞭な染色像が観察されなかったため、染色法2 (抗酸染色)での染色を行ったと ころ、染色法2 では陽性であった。染色法1 、2 の染色操作を図に示した。 染色法1 染色法2 スライドグラスに菌を塗抹 スライドグラスに菌を塗抹 乾燥、固定 乾燥、固定 クリスタルバイオレット液を滴下 石炭酸フクシン液を滴下 2 分間放置 3 ~5 分間加温 水洗 染色 冷却後、水洗 染色 ルゴール液を滴下 塩酸アルコールを滴下(20 秒間) 30 秒間放置 媒染 脱色 水洗 水洗 エタノールを滴下(20 秒間) メチレンブルー液を滴下 30 秒間放置 脱色 水洗 対比染色 水洗、乾燥 サフラニン液を滴下 顕微鏡で観察 2 分間放置 対比染色 水洗、乾燥 顕微鏡で観察 細菌Aとこれらの染色法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

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2つ選択
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正解: 1・5

正答

1・5

この問題のポイント

グラム染色で明瞭に染まらず抗酸染色陽性なら、ミコール酸に富む抗酸菌の細胞壁と染色性を考えます。

解説

細菌Aは抗酸菌です。ペプチドグリカンの外側に、超長鎖脂肪酸であるミコール酸やワックスを多く含む疎水性の細胞壁をもち、通常のグラム染色液が入りにくい一方、一度取り込んだ石炭酸フクシンは塩酸アルコールでも脱色されにくくなります。抗酸染色では加温により色素の浸透を助け、陽性菌は赤色、背景や陰性菌はメチレンブルーで青色になります。グラム陽性菌は厚いペプチドグリカンが色素複合体を保持し青紫色です。

選択肢の確認

1.細菌Aは、ペプチドグリカン層に加えて染色法1 での染色に抵抗性の細胞壁成 分を持っている。:正答。ミコール酸に富む細胞壁がグラム染色を妨げます。
2.ペプチドグリカン層が厚い細菌では、クリスタルバイオレットとルゴール液で つくられた色素がエタノールで除去される。:厚い層は色素複合体を保持するため除去されません。
3.高級脂肪酸やワックスに富む細胞壁成分を持つ細菌は、染色法2 で染色されな い。:その性質をもつ抗酸菌を染めるのが染色法2です。
4.細菌Aの細胞壁は、融点の低い脂質に富んでおり、加温すると石炭酸フクシン の透過性が増す。:加温で浸透は増しますが、長鎖ミコール酸は融点が高く、前半が誤りです。
5.染色法1 の陽性細菌は青紫色、染色法2 の陽性細菌は赤色に染まる。 一般問題(薬学理論問題) 【物理・化学・生物/衛生/法規・制度・倫理】:正答。グラム陽性は青紫、抗酸染色陽性は赤です。

覚えるポイント

抗酸菌はミコール酸、石炭酸フクシン、加温、塩酸アルコール抵抗性、赤色を一組で覚えます。

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